Can't Help Falling In Love

舞台の感想とかネタバレ含め色々

雪組「CITY HUNTER -盗まれたXYZ-/Fire Fever!」を見てきた話 その①

見てきました。
まだ雪組にがっつりハマって約1年ちょっとですが、ついに贔屓の組の初日を観劇するという幸せな時間を過ごしてきました。
下記はネタバレを含んだ感想ですので、各自ご自衛ください。
 
 
お芝居は80年代・90年代を生きた人は誰もが知っていると思われる漫画「CITY HUNTER」が原作。
最初これがお披露目と聞いてどうなるんだ?と思ったのはわたしだけではないはずで……
何せ当時「CITY HUNTER」はSexyな女性陣が多く、きわどい描写や、もうギリギリってかアウトな台詞もある漫画で、ちょっと大人な内容だったのです。
それでも漫画だけでなくアニメも人気だったし、TMNがテーマ曲を担当していたり、良い曲もたくさんあって割と幅広い人が聞いたことや見たことのある作品だったと思います。
わたしも獠が好きだったし!!!
しかしそのSexyな描写をどうやってすみれコードのある宝塚でやるのか?海坊主は誰がやるのか?いったいどの話をやるのか?
不安でいっぱいだった所、まず解消されたのは海坊主役のキャスティング。わりとTLがですよね!!!!ってなっていたの笑いました。
縣くんなら出来そう!という謎の信頼感……!!!
からの、綾くんは槇村!?えっ序盤でまさか死ぬ?!その後どうすんの?!とか、ミックってあのミック・エンジェル!?どうやって絡ませんの?!とか。
色々ありながらも迎えた初日でしたが、見たら色々不安は吹っ飛びました。 


獠が獠なんですよね、もっこり→ハッスルに単語が変わっていたりはするし、もちろん適度に抑えているとはいえ、ちゃんと獠なんですよ。
チャラくて顔が広くて実は面倒見が良くて人情にあふれてて、香のこと大事にしてる、獠なんですよ。
ミックに香を預けるっていうのは、原作じゃない展開だなと思うんだけどあれがあることで、3角関係感出てミックの色んな表情と間が見れたのでいいかなって
あと、咲ちゃんのおふざけと格好良い所のメリハリのつけかたが凄く素敵。
さっきまでみきちゃーん!ってしてたのに「香!開けるな!敵だ!」って一瞬で声のトーンが違う。
その緩急のつけ方も原作漫画の良さが出ていて好きでした。
  
香のきわちゃんは今までのお役とのギャップが!
ここのところ強い凛とした女性のイメージだったので、ある意味強いけどボーイッシュで、でも可愛い女の子でもある香を上手く演じてらして…素敵でした。
 100トンハンマー使う時の足を跳ね上げる感じもコミカルで可愛い!!
 
ミックのあーさは弾けててあまり見たことのないあーさで楽しかったな~!
肩の力抜けてる感じの緩いけど締めるとこ締めてくれるギャップの男。
こんなだったっけ、ミック?!ってのもあるし、前からの知り合い設定!?かずえさんとの絡みなしなの!?とか色々あったけど、宝塚版として”獠の良い理解者”であり”香の理解者”でもある感じが、雪組の2番手スターとなったあーさの役どころとして、とても良かったのではないかと!個人的には思っています。
あとね、好きなのは香のことめっちゃ好きじゃん!!!!ってとこです。
原作も好きだったと思うけど、あれは「相手を殺すときに彼女がいたら可哀そうだから先にその彼女を自分の恋人にする」っていうトンデモ設定もあるので……
香には獠がいて、獠も態度はあれだけど香のこと好きなの、ミックは気付いているんだよな……
だから最後空港のタラップで(たぶん)香が立ち止まってしまうのを見て、セリフはないんだけど諦めて一人で帰っていく、というミックの表情と背中がさあ!!!!!
最高なんですよ!!!!!!見て!!!!欲しい!!!!
あーさが好きって感情を表すときに見つめた後に目を少し細めるようにして笑ったりするじゃないですか(そういう表情だと私が受け取っているだけなのですが)、そんな感じなんですよね、香見てるときのミック。
報われない恋をしているミックが超好き……。
  
そして海坊主の縣くんと、槇村の綾くん。
この二人のキャラづくりがとても良かった…!!!!!
海坊主はスキンヘッドを上手くバンダナでカバーし、あの原作でも出てくる目の話もちゃんと出してくれて(笑)
まず歩き方とか胸筋とかバズーカ砲の打ち方とか、すごい海坊主。声もがんばって低くしている!
縣くんなら!ってみんな思ってた通りに(以上に?)仕上げてきていて、流石!という気持ち。
槇村はよれよれコートに猫背で頭ぼさぼさで、眼鏡を直すしぐさと頭の後ろぽりぽりかくようなしぐさが、すごい槇村で。
ちょっと気障なところもあったり、香が大事だったり獠をなんだかんだ信頼していたところが見えて、とても良かった。 
それが綾くんのもともとお持ちの雰囲気ととても似合っていたので、適役だなあと思いました。
 
他のキャラも説明がなかったけど、野上冴子の姉妹はみんな 獠が好きで狙ってるんだよ、とか、霊感がある子がいるんだよ、とか。
色々あるんだけどすっ飛ばして皆「そこにいる」から、すごいなあと思う。
足りていない部分もたくさんあるかもしれないけど、その行間を演者が上手く空気づくりしてくれている感じ、これはこれでよかったなと思いました。
 
 
 
 
お話はドタバタで後半が一気にエピソード回収に入るので、怒涛になります。
色々すっ飛ばすからなんで!?ってなるけど、とりあえずよかったね、で終わる感じは、まあいいのかなあ……ヨシマサ先生に騙されてない??(笑) 
大枠のお話は、いくつかの話を混ぜたり新しく作ったりされているので、原作これを読んでいけばいいよ!っていうのは難しいですね。
王女もUT(ユニオンテーペ)も海原も原作には出てきますが、ちょっと設定が変わったりしています。
ネックレスがお守りみたいな設定は、原作序盤(4巻)に出てくる優子の話をベースにしたのかな…。あれも獠が元傭兵とか、昔助けてもらった時に貰ったペンダント、という話です。
王女の話は15巻だそうですが、あまり記憶にないのですがペンダントとかは出てこなかったと思うので。
冴子が槇村の元恋人なのもそのあたりの巻で出てきたエピソードだったと思います。
出来れば押さえておきたいのは、「獠は香を銃を持たせるような危険な目にあわせずに大事にしておきたい」存在だと思っているというところでしょうか。
このあたりが根底にないので、後半戦が若干突然感が出てきてしまいます。
香は人を殺せないくらい銃の腕が下手である、という前提があって、それは獠が銃に小細工してたからなんだけど、今回はなくてもそこは良いとして。
そのくらい綺麗にしておきたい存在だから、たぶん槇村も敵討ちをさせないし、獠もさせないはずので、あの香が仇を討つシーンはちょとどうかな?と思うんだけど、撃たせることで獠(今までの日常)との別れと自分の本当の気持ちに気づかせるという意味では必要なギミックだったのかなあ。
ミックに「香に銃は似合わないよ」って先に倒させる手もあるとは思うんだけど。
その辺は尺もあるからね!色々な構成の元この流れになったんだろうなと思っている。
銃撃戦もあっという間に海坊主倒しちゃうし(笑)
でもその漫画らしい急展開さが原作漫画の良い所でもあったと思うので、そこの表現としては細かくやりすぎない、というのは良かったのだと思います。
  
賑やかで楽しくて、キャラがみんな個性的で、一人も空気みたいな人がいなくて、”みんなに見守られている”&”愛すべき相棒の二人”という最後のシーンが、これからの雪組のトップコンビの在り方なのかなあと思うと、この作品で良かったのかなと感じました。
ラブロマンスでも悲劇でもなく、笑って終わる、熱い絆の話で幕を開けた新しい雪組のトップコンビって感じ。
これからの雪組も楽しみだなーと思ってます。

 
 
 
あ、書き忘れたけど細かい小ネタとかは凄いなと思ったりしました。
先般見かけた方も書いていらしたけど、獠の車のナンバー、何か覚えがあるなと思ったけど、香がつけてくれた獠の誕生日なんですよね、あれ。 
そういうところとか、咲ちゃん獠の靴がちゃんと男物っぽいローファーだったり、冴子は銃だけじゃなくてナイフも使うのでちゃんとそんなシーンも作ってくれたり…… 
原作に対する愛とか敬意みたいなのは凄くあったかなと思います。
 
あとは皆が楽しみにしていた「Get Wild」が歌われるのかどうか?ですね。(ってか今って「ゲワイ」って訳すの??知らなかった…そんな風に訳される時代…当時は普通にげっとわいるどって言ってたよw)
歌ったよ!!!しかも「Still Love Her」ってわたしがめちゃくちゃ好きな曲も大事なシーンで歌うっていう、最高of最高でそこで泣いた(笑)
咲ちゃんの「Get Wild」すごく良かったな……銀橋で踊り付きで歌ってくれると思わなかったから、ひーーーー!ってなったけど。
めっちゃUTSU!!!って何故かなった。良かった。
最初の咲ちゃんのご挨拶前の、獠の名乗りのとこに一瞬だけGet Wildのメロディ流れるのもずるいよねーーー!!!好き。
香のテーマが「CITY HUNTER~愛よ止めないで~」なのも良いよね~。
他の曲も原作当時の雰囲気に合っているような曲調だったり、効果音で、なんだか懐かしさを感じました。


まあ色々オタクが補完しないとストーリー(台詞)不足なのは少しあるんだけど、それでもコミカルで楽しくて誰も死なない!!(いや死ぬ人もいるけどとりあえず主人公二人は生きてる!w)ストーリーは楽しかったです。早くもう一回見たい…… 


ということでそのうちレビューに続きます。
レビューはレビューではまあすごい。