Can't Help Falling In Love

舞台の感想とかネタバレ含め色々

雪組「ODYSSEY-The Age of Discovery-」旅の終わりに。

雪組ODYSSEY号の旅は宝塚に停泊して、約3週間のある意味とても長い長い旅をいったん終えました。
おめでとうございます、そして本当にお疲れ様でした!!!!!
正直に言えば初日の幕が上がるのか不安だったし、約3週間船旅が続くのか、不安もありました。
咲さんが千穐楽のご挨拶で、そういった客側の不安とかにも寄り添ったコメントを残してくださって、とても嬉しかった。
色んな舞台が中止になってそれは宝塚も例外じゃなくて花組月組、そして雪組の心中チーム公演が止まってしまった中で、ODYSSEY号はずっと船旅を続けてくることが出来たのは、ひとえに船員である雪組の皆さんだけでなくスタッフの皆さんのおかげであり、ファンはこういう時に本当に何もできないなと思ってしまうのだけれど。
それでもお手紙などでの声はちゃんと彼女たちに届いて少しでも力になっているのだなと思うと、本当に素敵な循環だなと思ってしまう。
ステージに立つ人たちの姿を見て力を貰って、それを言葉にしてお返しして、それがまた公演を続ける力の一つになっている、という。
これからもやっぱり好きな気持ちや感謝の気持ちをお伝え出来る時にはお伝えしたいし、全力で盛り上げられるところは盛り上げていきたいなあと改めて思った公演でした。

初日明けの数日と、千穐楽含めた最後の3公演を見させていただいたんですけど、Aパターン/Bパターンの差もありつつ、舞台全体も前半から後半に行くにつれて進化をしているなと思った。
当然最初から100%なんだけれど、最後の方には120%とか200%になっていく様子を見ているのが凄く好きだし、入った公演によってまた違った印象を受けるのも好き。
全公演完璧に同じようにやっていくことはもちろん大事なんだけれど、よりよくするために役者が試行錯誤していたり、音響が変わったり、照明が変わったり、幕が開いてもずっと進化していく舞台というのは見ていてとても楽しい。
今回のODYSSAYもそういうところが垣間見えて、とても楽しく観劇させていただきました。

脚本・演出の相性はどうしてもあるので正直私は見るまでは「こんなに女装多くなくて良くない?」「咲さん出ずっぱりすぎて(お身体)大丈夫?」って心配になっていたりしたんだけど、最終的に野口先生のさききわあさのトリデンテの見せ方と、デュエダンが良すぎて「好き!!!!!!!」となってしまったので、舞台は見るまで本当にわからないし、回数を見るとまた違って見えてくるから不思議。
でも本当に娘役さんの娘役芸が好きなので、男役さんが女装をしてトップさんや二番手さんと絡むのは、少しもったいない気もするので、それだけは野口先生と相いれないなあと思ってしまうのですけど(笑)
だって!!!ともかちゃんもありすちゃんも可愛いし、あんこさん・うきさんは大人の魅力で素敵だし、ひまりちゃんの笑顔は周りを幸せにする力があるし、私がまだ名前と顔が一致していない下級生の子たちにもかわいい子はたくさんいるので、もっと目立ってほしかったー!
雪祭男子だけじゃなくて、女子ドル的なシーンがあっても良かったのに……!!!(可愛い子に可愛いお洋服を着せて可愛い曲を歌って欲しいという欲です)
しかしはいちゃんの中華娘ちゃんはとても可愛いく可憐であーさとの声の相性も素敵だったし、縣くんのカルメンは強くて媚びない女が表現されていて良かったし、かせきょーくんの王女は笑顔が可愛かったし、あすくんの歌うリオの美女はちょっとギャルっぽさもありながら(笑)大人の女で好きだった。
ので、この人にこんな魅力が!というのが垣間見えたのは良かったなと思っています。

個々のシーンで楽しかったところはとりあえず置いておいて、ブルーム船長(咲さん)に一目ぼれした月の女神セレネ(希和ちゃん)と、その兄(勝手に)の太陽の神アポロン(あーさ)が、彼の旅にずっと姿を変えてはついていって、”「希」望の「朝」”を届けてくれるの、本当に最高だなと思っていて。
オープニング出航するときは一人で船に乗っていたブルーム船長が、最後にはセレネとアポロンと一緒に乗りこんで、彼らの姿は見えないけれど手をしっかり握って、彼らがそっと添えてくれる手の温かさを感じながら旅にまた出ていくの、今の雪組はこういうトリデンテなんだなあって感じが見えて、毎度あの船の上の3人を見ては泣いていました。
(そこしか見てなかったから、一度一階で見た時に「他の人たちも手を繋いでた!」っていうのにびっくりした(笑))
ブルーム船長を見守るセレネとアポロンの表情がまた優しくてやわらかくて、セレネは時々お母さんか!ってくらいの慈愛に満ちた顔をしているし、アポロンはそんなに好きか!ってくらいにこにこ後ろから見つめてて面白かったですね。
地中海の時の咲さんが見てくれるの待ってるあーさが可愛くて(笑)
ちなみに勝手な妄想ですが、セレネとアポロンは年子の兄妹で、喧嘩したり言い合いも良くするけど好きなものが同じだったりして好きなことにはずっと全力な兄妹って感じで見ています。なのでブルーム船長大好き兄妹はいつも天から見てキャッキャッしてて、何かあるとすぐ彼のところに降りて行っちゃうので、お互い「えーずるーい!」ってなってる。(南極のところはセレネが心配で船長のところに行く!って聞かなくてアポロンが止めて、でもじゃあ俺の力も分けるから行って来いって送ってくれたんだと思っている。あの上手のダンスのあたり)
でも本当に前に進む咲さんの後ろに控えながらも、時に導いて、時に支えて、と姿かたちを変えながらそばにいてくれる「希望」である希和ちゃんと、始まりである「朝」のあーさがいてくれることが、咲さんの今の原動力なのかなと思わせてくれる、良い設定だったなって思っています。咲さんもご挨拶で何度かその言葉を口にされていたので。
実際咲さんは希和ちゃんとのペアになった時に力が戻ってというか気合が入る感じに見えたし、あーさと目が合って笑っている時の咲さんはほっとしているように見えたので。
二人がいることが、とても重い荷物を持って船旅に出たブルーム船長……咲さんの支えになったのではないかな、と。勝手に思っています。
 
本当に楽しい航海でした。
まだ咲さんを船長とした雪組ODYSSAY号の航海は続くと思うので、追風になれるように力いっぱい声援を送ろうと思います。
個々の感想はまたそのうち。