Can't Help Falling In Love

舞台の感想とかネタバレ含め色々

2020年1月25日ソワレ「天国の本屋」

ミュージカル「天国の本屋
2020年1月~2月、東京・大阪にて上演
原作:松久 淳+田中 渉 ≪天国の本屋≫(新潮文庫刊)
脚本・作詞・演出:菅野こうめい
音楽:坂部 剛
 
 
A.B.C-Z河合くん主演の舞台。
原作付きのお話ですね。
わたしは原作は未履修でした。
 
 
HPのコピーはこのような感じ。 
 
「天国」それは誰も経験したことのない世界。
天国には町も、小さな公園も、喫茶店も、本屋さんもあります。
そして、恋だって…。

どこか不思議で、ファンタスティックな物語。
淡い恋心がよみがえるラブストーリー。忘れたくない恋のトキメキ…。
本を読んだ人も読んでない人も、劇場をあとにする時、
心がほっと温かくなるような、ちょっと優しくなれるような…。
そんな素敵なひと時をお約束します。

きっと、忘れかけていた心の中の温かさを思い出すでしょう。
 
セットは基本は本屋と喫茶店しかないのでそこが「天国」であることとか、街のひとつであることとか、他の誰かが住んでいることなどがちょっとわかりにくかったかなという印象。
でも本棚を移動して説明をしたり、というのは少し面白いセットだったかなと思います。
 
あらすじはこちら。
就職活動中のさとしは、ヤマキというおかしな男に”天国の本屋店長代理”にスカウトされ、一時的に天国に連れて来られてしまったごく普通の大学生。その『ヘブンズブックサービス』(=天国の本屋)では、すでにユイという不思議な魅力のある緑色の目をした少女が働いているが、さとしに全く馴染もうとしない。ヤマキは、ユイは心に傷を負いリハビリ中なのだと告げる。

さとしは、とりあえず店長代理という事で働くことにした。すると、「お兄ちゃん、これ読んで!」と、本屋に遊びに来る子供たち。そう、『ヘブンズブックサービスには、本を読んであげるサービスがあったのだ……。

最初は気が乗らないさとしだが、子供たちの純粋さにひかれ、一生懸命要望に応えようとする。そんなさとしの姿に、ユイも少しずつ心を開き始めた。

そんなある日、ユイの過去を知るときが来て―
 
お話としてはファンタジー要素というか、少し絵本みのあるお話だなあと思います。
天国でも家があって仕事があって、輪廻でまた生まれ変わる、みたいなの。
緑色の瞳の人には理由がある、みたいなところも設定としては面白く、児童文学に近いような印象を受けました。
 
河合くんの歌は昔よりもぐっと聞かせるものになったし、彼が笑顔で歌って踊っているのを見るととても嬉しいのでそういう意味では少し辛いシーンもあるけれど、ハッピーエンドのミュージカルに出演してくれてよかったなと思いました。
ただ、ミュージカル、ということでしたが主役の河合くんはあまり踊らないのが気になりました……寂しい。
あと同じ曲が何回も出てきて、同じフレーズをそこまで使わなくても良いのかなという感じは思いました。(最初の方の曲とか)
あの曲3回くらい歌ってたと思うけど、そこまで長くなくても良いかもな~とか。
印象付けたいならBGMでも良いわけだし。
ただ他の方々も歌メインで選出されているようで、迫力もあってとても良かったかなと思います。
 
河合くん演じるさとしが本を読むと、まるで映像を見ているかのように聞こえる、というのがこの話の面白さというか、特長なのだと思うのですが。
舞台でそれをどうするのかと思ったら、周りのキャストさんが演じてくれるのね。
ヘンゼルとグレーテル」はちょっと長かったけど、まあうまい人の演技を見られるのは良かったかな?
いやでもなんかもう少しメリハリは欲しかったかなー。
でも河合くんが本を読んでいる時のライティングが美しくて、河合くんのお顔綺麗だなーと思って見つめてました。
バチバチだった。
その読み聞かせの最後に出てくるお話が「ナルニア国物語」なんですよね。
わたしこのシリーズが個人的に好きだったこともあって、あのシーンをみんなで再現するのがちょっと感動というか、凄い!って思って見ていました。
でもよく考えたらめちゃくちゃラストのネタバレなんですよね(笑)
全く読んだことのない人がいたら『何言ってんだ?』って思うだろうな。
基本は物語が好きな人が読むの前提なのかなという気がしたんだけど原作はどのくらいの熱量でこの辺り書いているんだろうか。ちょっと気になる。
でもあの話って児童文学にしては結構重めでシリアスで、でも小さい頃はドキドキしながら読んだので、そのころのことを少し思い出したりもしました。
わたしは本を読むと頭の中でその人が喋っていたり、映像として浮かんだりするんですけど(声なんてもちろん聴いたことあるわけじゃないので自分の頭の中で勝手な声をアテレコしているんですが)その感覚に近いのかなあと思いました演出的に。
あと舞台で出てくる「泣いた赤鬼」は普通に好きな話だったので泣きましたね。
あれは作品チョイス的に泣けるので、感動の涙ではなかったんだけど。
あと、おばあちゃんが死んじゃうとか弟に最期に続きを読めないまま死に別れちゃうとかも普通に泣いちゃうエピソードなので、わりと泣いてましたね(笑)
最後にユイがトラウマを克服できて本当良かったなと思いました。
 
ただ、あまりヒロインに感情移入が出来なかったんですよね。
彼氏と一緒にいたいのに弟の面倒も見なきゃいけなくて、葛藤する中で大事な弟を失った少女。
わたしも弟がいるし、本を読んであげられなかったことを後悔してるっていうのは凄く辛いよなって分かるんだけど。
いつさとしのこと好きになったの????
っていうのがとても違和感で、よくわからなかった……
さとし→ユイは一目惚れに近い感覚だったんだと思うけど、ユイ→さとしは最初は興味ないし嫌ってたはずなのに突然お茶に誘うシーンが入ってきて、あれ?って。
その前にキスはしないみたいなことを言ってたのに。
ツンデレにしては突然デレが来てて、よくわからなかった……
なんかここがしっくりこなくて、無理にLoveにしなくてもよかったのでは?と思ってしまった。
時間配分的に「読み聞かせの表現力」に重きを置いていたからなのかもしれないけど、ラブで終わらせるならもう少しその過程も描いてほしかったなと思います。
なので全体的には面白かった、と思いますが少し物足りないというかすっきりしない部分はありました。  
 
本編以外の感想としては、共演されていた佐々木さん(足長のイケメンさん)も好きなので歌とダンスを堪能出来てとても良かったですね。
でもどうしても見ると某所の某アレを思い出すので、ちょっと動揺します。
ちなみにエリザベート今年も出演されるということなので、どうにかチケット探したいところ。
 
あと、言うべきかは迷いましたが、TLのお友達も言っていたので残しておきますね。
最後の白い衣装で二人が歌うのが宝塚のデュエダンっぽいと思いました!!!!!(笑)
昨年からすっかり宝塚にも洗脳されているわたしです。
エンディングで白っぽい衣装で主役が踊るのってそう思うじゃん……。
 
 
まあそんなこんなで、ジャニオタとしての見納め舞台は、元担の河合くん主演ミュージカルということになりました。
好みか好みじゃないかで言ったら微妙ですが、熱量はあったなと思います。
キャスト・スタッフの皆様お疲れ様でした。