Can't Help Falling In Love

舞台の感想とかネタバレ含め色々

雪組「fff―フォルティッシッシモ―/シルクロード~盗賊と宝石~」全体感想①

初めての大劇場に行ってきました。いつか行ってみたいと思っていたあの場所で、大好きな組を見れる幸せはなんとも言葉では表せられないものでした。
以下は、自分なりの見た感想というか、大枠はこんな感じで受け取ったよ、というネタバレ全開の感想です。


雪組大劇場公演
「fff―フォルティッシッシモ―/シルクロード~盗賊と宝石~」
観劇日:1/29-2/1

●fff-フォルティッシッシモ-
やや難解で"感覚的"なお話。
そこまで解説が必要とも個人的には感じなかったけど、そういう「考えるな感じろ」みたいな歌劇以外の作品を見ていると比較的入りやすいのかもしれない、とふと思った。あとずっと歌が溢れていて、心情が音やダンスや光や闇で表される感じが、ミュージカルに近い感じもしたので、ちょっと独特なのかもしれないなと思います。
時間軸も少しバラバラします。現在と過去、そして幻影(夢)世界と行ったり来たりするので、衣装や話している相手などを見ながらある程度察する感じですかね。
好き嫌いはあるかもしれないけど、わたしはわりと好きでした。fff。
運命を受けいれ、自分の運命を愛したルードヴィッヒが最後に歌ったのは「忘れないで」というメッセージで、最後のシーンのなんとも言えない雪組生の熱を感じて泣いてしまいました。寂しさでも嬉しさでもなくて、なんですかね、込み上げてくる何か、がありました。
あくまでも役なんだけど、演じる人たちの内面が見えるような感じもしました。望海さんの優しさと繊細さ、希帆ちゃんの強さと美しさ、みたいなものがすごく現れていたような気がします。
あーさのゲルハルトはルイを本当に小さい頃から見守っていて味方でいてくれたんだろうな、ってことが視線の一つ一つで分かるんですよね。声のトーンが学生~結婚後の十数年で演じ分けていて、そこにもルイに対する愛情を感じて、あーさの優しさを感じました。
ここが好きポイントは沢山あるんだけど、そこは次回。
全体としては天国行きか地獄行きかみたいなあたりはウヤムヤにはなってしまっているんだけど、ベートーヴェンという天才の持つ世界観(それこそ天国と地獄のような美しさと激しさの両面を持つような音楽性)を感じたので、細かいところは気にしないでいい話かなと思ってます。
歌に定評のあるトップコンビの最後が、音楽の美しさと難しさ、もっと高みへと先へ進む強さ、自分で切り開こうとする力、そして運命のような出会いを描くのは個人的には良かったと思います。


シルクロード
レビューアラベスクと銘打った2幕。
わたしはかなり好きですね!!!
耳に残る異国の香りのするメロディと、望海さん希帆ちゃんの美しい歌声、雪組のパッションがとても心地よかった。
今回は菅野よう子さんの作曲したものもあり、ファンタジーで幻想的な音、かつ耳に残るメロディは新鮮で良かったです。
ストーリーとしては、凪様演じる商人が語り部のような形で、人々の欲をかきたてる青い宝石を手にこの宝石が旅してきた時間を見せてくれる、という感じですかね。
最後にその宝石は望海さんの手の青い薔薇へと変わり咲ちゃんへと受け継がれていく。それがとても美しく、そして同時に切なく寂しさを感じました。
この青い宝石である希帆ちゃんは姿を変え人々の視線を集めみんなを虜にしていく。商人の手でバザールへ、それが盗賊へ、王へ、と渡る。傍にいる約束として受け継がれた時もあれば、それを奪い手に入れようと争いが生まれもした。やがて大きな戦争になり、宝石は失意に昏れる。そこに盗賊が現れ、奪うのはこれが最後だと安寧の地で2人穏やかに過ごす。
そしてまた商人が宝石を手に現れる。まだ宝石の旅はつづくのだ。時を超え、それに触れる者は変わろうとも光は…...その本質は変わらない。
みたいな感じで、勝手に説明をつけてみましたが、宝石の辿った運命を見せているので中国的なシーンもあれば、インドのマハラジャ的な感じもあり、神々の国もあり、色々な演出を見ることが出来てとても楽しかったですね。
望海さんのかっこいい所もコミカルな演技が似合うところも、優しいところも、色んな姿が見れるなーと思います。
宝石の煌めきは希帆ちゃんの美しさと歌声で表されていて、流石雪組の歌姫に相応しいショーでした。青や黒、赤のシーンごとに違うドレスは繊細かつ大胆で気高く美しい宝石のようで、とてもお似合いでした。
個人的には凪様の商人がとてもツボで、青の宝石と対比させるようなワイン色の衣装やヘアウィッグも素敵でビジュアル的に最高でした。顔をハットで少し隠しているのがまた堪らない!燕尾前最後のソロパートでは曲の最後が「じゃ、あ、ね」でハットのつばをついっとなぞるのが本当格好よくて、憎い演出でした。泣くじゃんそんなの。
全体的に望海さん&凪様、望海さん&咲ちゃんが多いですが、あーさが1人で途中から望海さん出てくる独壇場のようなシーンがあります。千夜一夜物語のところ。ここのあーさがめっちゃ暴君なんだけど、似合うので次は悪役もいいなぁ……
こちらも細い好きポイントはまた週末くらいに。
宝石や美しいものは争いの火種になるほど惑わすものだけれど、それを追い求めるのはやめられないみたいな強い憧れみたいなものも感じるし、それだけの力を秘めただいきほコンビを始めとした雪組生の魅力を表現されているような。
どんな姿でもどんな時でも彼女達の本質の輝きはきっと変わらない、そんな感じかなと思ってます。
シルクロード、というのも道は続いていくという感じがして、雪組はこれからの道を歩んでいくんだなという決意のような意味合いもあったのではないかなと思います。
本当見応えあるレビューでした!


これでようやくステージドアとかナウオンとか見れるかな。本編としてはネタバレをしないように見に行ったので。自分の感じたものを信じたいので、合ってる合ってないは置いといて造り手の思いも改めて知りたいしね。そしてそれを踏まえて東京公演も見れるといいなぁと思っています。(当たりますように)