Can't Help Falling In Love

舞台の感想とかネタバレ含め色々

2022年3月13日 舞台「アクダマドライブ」

※物語のネタバレを含みます
 
 
 
まず、わたしはアニメを存じ上げず、予習もあえてしなかったので、舞台「アクダマドライブ」で初めてこの作品に触れたのですが。
凄い作品ですね。なんか……。
アクダマ=犯罪者が主人公で、仕事を受けたらカントウの重大な秘密に関わるもので巻き込まれていく話。
人がばんばん死ぬし、快楽の為に殺人をするような人たちも出てくるし、割としんどいなと思うんだけど、重くなりすぎず上手くまとまってたなと思う。
他の舞台でもそういうの見たんだけど、そっちは人間の醜悪が見えて嫌な気持ちになったし、エンタメとして面白いと思えなかったんだけどこれはわたしには意外とすんなり「こういうものなんだ」と受け入れられた。
正義と悪、どっちが正しいかじゃない、自分が決めた道を貫けるかどうか。流された未来じゃなくて、自分が選んだ未来かどうか。
そういう言葉にするのは難しいことを「感じてほしい」という想いが強い作品だなと思います。
 
ライブパート入れて約2時間、詰めに詰め込んだ割りに”置いていかれた感”がない舞台だったなとも思います。
原作物は「原作を知っている人に委ねる」部分が多く存在するので、本当に何も知れない初見だと凄く”置いていかれた感”が出てしまうものですが、わたしはこの作品を知らなくても十分に楽しめました。
当然ながら、シンカンセンからどうやって脱出したのか、どうやって全員で乗り込むのか、天使の輪ってなんだ?殺人鬼って何者?とか、よくわからない部分も多々あるのですが、それをあえて「説明」することなく、すっと場面転換してその次のシーンの「状況」がちゃんとわかるようになっているの、すごいなと思う。
説明としてはウサギちゃんとサメくんがコミカルに教えてくれるけれど、情報番組というていをとることで説明臭くならないし、その情報番組というコンテンツが最後にまた生きてくるので、上手い仕掛けだなと思います。
お話としては勧善懲悪ではないし、誰か救われるかと言えばあの兄妹だけで(あの兄妹だってあの後本当に幸せになったかどうかはわからない)辛い話ではあるんだけど、後味がそこまで苦くないのは、「一般人」だった彼女が「流されるのではなく自分で決めて動いて選んだ最期」だったからで、「運び屋」も「ハッカーも自分の仕事や信念を全うして生きて死んだということがきちんと見えたから、こういう結末もある意味ハッピーエンドなのだと思うことも出来た、という感じかな。
当然生きていてこそ、なんだけれど。(これアニメでガチにハマって最終話見たら本当辛い気がする……)
でも何かを伝える作品として、演出やライティング、映像の仕掛けなど含めて、面白かったなと思いました。
 
キャラクター的には、「運び屋」が好きなんですけども。
演じた蒼木くんが好きだからというのは勿論ですが、「運び屋」のキャラにだだハマりしてしまった……いやあれば恋するじゃん……好きになるじゃん……
「一般人」が本当に「一般人」であることをちゃんとわかっていたうえで、さり気なく気にしてくれていたり(たこ焼き渡すシーン、ずっと待っててあげてるじゃんね……)、助けに来てくれたりする。
彼は「報酬」を貰って「仕事」として「運」んでいて、それ以外は関わらない、タイプだったはずなのに後半巻き込まれてくれるんだよな「詐欺師」となった「一般人」に。
皆が集まってても端っこにいたり、煙草を一人ふかしていたりするんだけど、視線はちゃんと追ってたりする。
 
あ、この煙草を吸うところがとても良かった。序盤で下手側のセット上で煙草に火をつけて吸ってるんだけど、灰を自分から少し遠い所で落とす仕草も格好良かったし、最後に靴の裏でもみ消して後ろにポイするのも自然で格好良くていつもそうやって吸ってんるです!?蒼木くん!?ってなりました(彼が喫煙者かどうかは知りませんが)
そういう仕草見ちゃうと萌えますよね……。
あとバイクにまたがる姿も、押す姿も良いし、戦う時のアクロバットも最高です。
「殺人鬼」とのコンビネーションもさることながら、処刑課とのやりとりも格好良かったな……。
あの狭い舞台の上での立ち回り大変だと思うんですが、パルクール見ているみたいで楽しかった!
下手の高いセットの上に走っていって手の力で登るところとか、思わず声が出そうでした。何を見てるんだ……と思ってしまった…。すごい。
もともと、植木豪くんが演出と聞いてゴリゴリに踊るんだろうな、アクション期待大だなと思ったら本当にすごかった。
メインキャストも当然ながら、処刑課FORCEえぐい。何だあのアクロバットアクションとダンスは……。
猫の人は本当猫なんですよね……。あの柔らかさ凄い。
「運び屋」蒼木くんも「殺人鬼」本田くんも刀剣乱舞でアクションやりまくっていた俳優さんだし、桜庭さんの筋肉やばかったし、星波さんのアクロバットも綺麗だった!
個人的には、「運び屋」VS「師匠」で戦うのがもう胸熱。
舞台刀剣乱舞維伝の時にも敵同士で戦っていたので、あの時のことを思い出して……
唐橋さんも昔から好きな役者さんなのですが、あの普段とのギャップが凄いんですよね(笑)
強い者同士の戦い、という感じがとても良かったです。
あとは、やっぱりライトの使い方や、序盤に出てくる猫視点カメラの活用などもとても良い。
アニメ感があるというか、最近の舞台だなあという感じがして、これはこれでありだなと思います。
舞台っていろんな形があっていいと思うので、ストレートプレイも好きだし、こういう新しい見せ方をする2.5次元舞台というのも好きです。
中途半端な演出より振り切った形の方が気持ちは伝わるのかなあという感じがしました。
アニメを見ていたほうが勿論わかりやすいだろうけれど、分からなくても彼らの「熱」で惹きこまれていくような舞台でした。
 
 
以前、舞台「刀剣乱舞陸奥守吉行を演じた蒼木陣くんを好きになり以降ゆるゆると彼の出演作品を見ているのだけれど、今回でさらに好きになりましたね。
3/13のアフトで本田くんが言っていたけれど、彼は不器用で、良い意味で愚直に真っすぐに突き進むことをあきらめない人だなと刀剣乱舞の時に思っていて。
今回の新しい役どころを見て、とても考えて考えて作ったんだろうなと思う「運び屋」だったので、もっとお芝居が見たいなと思いました。
1月にやっていた「フランケンシュタインもすごく良かったんだけれど、彼は瞳の力の強さがとても印象的で、あとよく通る声もとても魅力的だなと思う。
舞台俳優さんって視線の動きや仕草でたくさんのことを伝えてくれるけれど、それが自分の好みにあうととても嬉しいし、運命だなと思う。
他の役者さんも素敵な方々ばかりで、とても魅力的にキャラクターを描いていて、エネルギッシュだった。
今年の観劇生活はまだ3か月だけど良作に出会えて嬉しいなー!
わたしは観劇のメインは宝塚で、推しのいる時は複数回予めチケットとるんですけど、他の舞台は基本1回ずつ。
よっぽどのことがない限り追いチケしないんだけど、今回は観劇終了後に追いチケ確保しました(笑)18日にまた見ます。楽しみだな。
 
 
※たまたま取れた日がアフトの日だったので、@asa_rose16_で#アクダマドライブのタグ付きでアフトメモ残してあります。
陣くん、れおくん最高に面白かった(笑)