Can't Help Falling In Love

舞台の感想とかネタバレ含め色々

2020年1月5日マチネ「舞台『刀剣乱舞』維伝 朧の志士たち」

演劇集団キャラメルボックスの岡田達也さん目当てで、初めての刀剣乱舞舞台です。
これまで刀剣乱舞を舞台としてやっていることは知っていましたが、推しが出ることがなかったのでわたしには縁遠い世界だと思っていました。
が、岡田さんが出る。しかも坂本龍馬である。となれば行かなくてはならぬ……と。(キャラメルボックスでの竜馬役がめちゃくちゃ好きだったのです、岡田さんの)
前回の舞台からわたしの初期刀である「陸奥守吉行」が出演していることは知っていたので、それもまた興味がありました。
実は刀剣乱舞自体はそもそもやっていたので(しかし既に4年以上やっているのに池田屋クリアまでたどり着いていないへっぽこ審神者なのですが……)大体のキャラクターは知っていました。
なので、他の2.5舞台に突然飛び込むよりも安心感があったので、とりあえず突撃しよう!と行ってみました。

 


まずシンプルな感想として、”超良かった……”です。
1幕の終わりはぞくぞくしたし、2幕のラストシーンは泣いたし、役者さんのカテコの登場もちゃんと”らしい”仕草であることが素晴らしく拍手を送りました。
劇場を出てまずはDVDを予約したし、追っかけで陸奥守吉行と肥前忠広の写真(と、ランブロに手を出した……(笑))を通販しました。(終演後にグッズ買えなかったから……)
そして先日つい陸奥守のアクスタも買いました……
良いものを見るとすぐ課金しなきゃ!と思ってしまうジャニオタの悪い癖が出てしまっていますw
いやでも本当面白かったです。舞台として面白かったし、何故このキャラクターはこの台詞を言ったのか、何故このような行動に出たのか、等がとても知りたくなって、前作までの舞台をちょっと見たくなりました。
そして次回作も見たくなってきて、これはしてやられたな、と。
こうやってまた新たな沼にドボンしようとするんだから、ジャニオタ辞めても変わんないなと思います(笑)

 


お話としてはこの単体を見ても大筋はちゃんと理解できました。
気になる部分(鳥太刀二振りが怖い……し、時間遡行軍のあれはあの人ってこと?とか、月はあの人の暗喩?とか……)は多々ありましたが、これだけ見てもストーリーとしては完結したと思います。
なので、どこから新規が入ってきてもいいようになっているのかなと思いました。
今回のあらすじはこちら。 


西暦2205年。
歴史改変を目論む「歴史修正主義者(れきししゅうせいしゅぎしゃ)」が過去への攻撃を開始した。
対峙する時の政府は歴史の守りとして「審神者(さにわ)」なる者を過去へと派遣する。

物の心を 励起(れいき)する審神者の力によって生み出された、刀剣に宿りし付喪神「刀剣男士(とうけんだんし)」たちは、
審神者と共に歴史を守る戦いへと身を投じる。

入電──肥前忠広より突然の出陣要請。
本丸は陸奥守吉行、和泉守兼定堀川国広鶴丸国永、小烏丸の5振りの出陣を決めた。
行き先は1863年文久土佐藩土佐勤王党が恐怖政治を敷く“放棄された世界”である。
出陣先で肥前忠広、そして南海太郎朝尊と合流した刀剣男士たちはこの歴史改変を正すべく
その中心人物の捜索を開始。

任務中に出会った坂本龍馬と共に行動を起こすことを決めるが……

刀剣乱舞公式サイトより

 

このあらすじを見て、むっちゃん(陸奥守吉行)が主人公だということと、龍馬はもしや結構出てくるのかな?というくらいしか知識を入れず、ネタバレもそんなに見ずに行きました。
なんと最初の台詞は龍馬(岡田さん)から……そしてむっちゃんと囚われの身になったり逃げたり酒を飲んだり、めっちゃ出番あるじゃん……ってもう見てる段階で『DVD買おう』って決めてました。
やっぱり刀剣男士がメインの舞台なので、歴史上の人物の皆様はそこまで出ないのかなと思っていたんですが、凄い出てた。
しかも龍馬が最後あれって展開、いやもう切なすぎて泣けたわ……
いや何となくわかってたよ?わかってたけれども!
あの話の審神者は「自分の持ち主などに関わる過去を乗り越えることで強くさせる」主義なんだと思うんですが、そのやり方は個人的には納得いかない!w
何でそんなしんどいことをさせるんだ!!!!と思ってしまう過保護な審神者です。
しかし、最初から『あのタイミングで龍馬にあの場所で逢ったこと』に関して、違和感を感じていた(ように見えた)むっちゃんは最後がああなることわかっていたのかな、とか。
龍馬には自分(陸奥守吉行という刀)が彼のものになる未来があることを言わなかったしね……
「逢いたくなかった」と悲しそうに笑うむっちゃんが切なかったです。
それでも逢って行動を共にしてる二人がとても似ていて、やっぱり持ち主に似るんだなとか思いました。
龍馬もまたそれを感じ取って、最後は陸奥守の手で消えていくのが切なかった……
あと、カテコで岡田さんが礼をした後着物の襟をピッと引っ張って整えて背を向けていなくなるのが、なんだかとてもらしい気がして、好きでした。
岡田さんの龍馬はキャラメルボックスでたくさん見てきて、本当に大好きで。
土佐弁がとても似合うし、カラッと笑う所やでもどこか孤独な感じのするこの役柄を、とても魅力的に演じられてきたので、今回また見ることが出来て本当に良かった…。
キャラメルボックスは現在劇団としては休止してしまっていて、岡田さんも最後に竜馬を演じた時は「(年齢的にも)これで最後かな」と仰っていたので。
51歳の龍馬はめちゃくちゃ格好良かったです。思えば20年程前から岡田さんを見ているのですが、もちろん外見上は老けたなと思いますが(笑)彼の芝居はいい意味で変わらないところがあって好きだなあと再認識をした次第です。
それから殺陣もやっぱり格好良かった……
本当お上手なんですよね、お芝居。


陸奥守吉行を演じた蒼木陣くんもまたものすごく「むっちゃん」だった。
無鉄砲のようでものすごくよく考えている冷静さを失わない戦略を立てられる刀という感じをビシバシ感じていたし、何よりもあの身体能力……
殺陣どうなってんの?????
飛ぶし跳ねるしどんな体感してるの???
圧倒的な陽の雰囲気を纏わせておいて、陰の要素も持っている雰囲気があって。
凄く良かった……
オープニング、一言目で、ああむっちゃんだ……と思ったので凄い。
これからも見たい役者さんだなと思った。

あと忘れちゃいけない岡田以蔵VS以蔵の刀である肥前くん。
ここの戦いもすごかったです。
一色さんの以蔵が本当ぞくぞくするほどやばくて(語彙力がない誉め言葉ですみません)あの殺陣のスピードについていく肥前くん(櫻井くん)は凄いと思いました……
唐橋さんも何度も舞台で拝見している方ですが、存在感があるというか、立つと空気が変わる方で、ツイートで拝見する感じとはまた全然違って凄いなと思います。

 


キャスト全員がとても意識が高い舞台だったなと思います。(凄い上から目線で申し訳ないですが)
キャストがちゃんと生きている芝居と、セットの転換の面白さ、映像(ライティング)の使い方などもとても良い舞台でした。
これはハマる人いるだろうなあという感じ。
しかし、初見であるがゆえに分からないこともたくさんあってそこがちょっと気になっています。
気になっているのは、パンフレットにあった過去作の順番や、登場した刀剣男士の名前の一覧です。
過去作の羅列の中には、意図的に消された部分もあるし、舞台版の刀剣乱舞はキャス変があったからという『表側』の理由だけでないような感じで、名前が2回書かれているものがあります。
ゲームの刀剣乱舞の世界では、刀剣男士は”破壊”されて”折れる”こともあるし、”二振り目”が存在するので、まさかそういう意図があるのでは?と疑っても仕方ないような感じがします。
この辺りの考察は歴代の舞台を見てこられた方がされているので、いくつか読ませていただきましたが、凄いな―皆さん……
わたしもそういう舞台に描かれていない裏側を考えるのがつい好きで考えてしまうんですけど、まあ考えすぎも良くないので(笑)
この先舞台を楽しく見るためにも、程ほどにしたいなとは思います。
でも、彼らは「誰」を「円環から取り戻したい」のか、「忘れるはずはないこの太刀筋!」という鶴さんの台詞は、物凄く気になっています。
取り戻したいのは三日月さんなのか、それとも山姥切くんなのか……(っていうかそもそもあの鶴さんと斬り合っていたのはまんばちゃんでいいの?とか)
「忘れるはずはない」って表現ってとても強いと思うんですけど、それって何か意図あります?とか。(大体袂を分かったライバルとか、死んだはずの相手とかそういうのに使ったりしません?)
刀は歴史を正しく元に戻すために存在するけれど、そこに疑問を持ったりしちゃいけないんだろうか、とか。
今回の龍馬は刀剣男士に近い存在だったようだけど、何故なのか、とか。
龍馬の願いだけで歴史改変って起きちゃうんだろうか、しかもそれが何故このタイミングなんだろうか、とか……(あとこのタイミングで土佐にはいないはずなのに、とか)
うーん、色々とよくわからない。
でもそうやって色々考えられるほど、彼らは舞台上でとても「刀剣男士」だったので、そこが凄いなと思いました。
今回鶴さん、肥前くん、南海先生のシーンでアドリブコーナーがあり(アドリブするのは鶴さんなのですが)、そこが毎回違っていてすごかったみたいで。
わたしが見た時もとても面白かったんですけど、ちゃんと”鶴さんらしい”んですよね。
わたしはもう一人の鶴さんを見ていないのであれですけど、染谷さんのやる鶴さんはゲームの鶴さんよりも色々激しいんですけど、でもなんか”鶴さんらしい”って思うんですよね。
それが凄い。
アドリブって本当にちゃんとその役柄を意識して、役柄になりきっていないと成立しないと思っていて。
その作品の中で、そのキャラクターが言ったり行動して違和感のないものを瞬時に対応しなきゃいけないわけなので、本当にそのキャラクターとして生きてなかったら出来ないと思うんですよね。
それが、ちゃんとできている舞台って素敵だなと思いました。
だからこそ、彼ら一人一人の喋り方や声のトーン、視線の配り方ひとつで、物語が変わってしまいそうな気がして、ついそこに「意味」を探したくなるんですよね。
時々「意味」がないものもありますけど(笑)
でもそうやって考察したり誰かと話したりできる舞台はやっぱり楽しいなあと思います。
翌週、友達とこの舞台の話をする機会がありました。
彼女は他の色々も勉強済だったので、教えてもらいながら、ここはどういうことなんだろう?とか、この人の演技凄いよねという話をしました。
基本的に舞台が好きなので、そういう話が出来るのがとても嬉しい。
そうやって色々話していたら、むっちゃんを演じた蒼木くんと、肥前くんを演じた櫻井くんがちょっと気になってきました。

肥前くんは政府の刀チームで、今後どこまで出るのか分からないけど、むっちゃんはまた出ることもあるかなあ。
他の舞台でもタイミングが合えば彼らの別のお役を見られることもあるかもしれないし。楽しみにしておこう。

 


本当面白い舞台を新年早々から見ることが出来て幸せでした。
DVD出たらまた色々考えながら見てみようと思います。
気になるフォロワーさんがいらしたら、ぜひうちで鑑賞会しましょう!(笑)