Can't Help Falling In Love

舞台の感想とかネタバレ含め色々

12月6日マチネ「Gem Fragments」

久しぶりのシブゲキ!での観劇でした。友達が観劇できなくなり、代わりにと声をかけてもらった舞台。
舞台刀剣乱舞の南海先生を演じていた三好くんや、五虎退の設楽くん、鯰尾の杉江くんも出ていて興味もあったので譲ってもらい行ってきました。
 
「Gem Fragments」
公演日程:2020年12月2日(水)~12月6日(日)全9公演
会場:CBGKシブゲキ!! 
出演者:エメロード:杉江大志/ボヌール:三好大貴/コンソラトゥール:設楽銀河/
    サジェス:大海将一郎/パシアンス:田口涼/シェバリィ:杉江優篤

    ヴィクトー:日向大輔/テオ:蜂谷匠平/ラザール:松嶋創
    アンサンブル:岩崎悠雅/古笹原大和/鈴木政宗/中土井俊允/山下晃季

 
あらすじ ※公式サイトより引用
昔、未知の侵略者に襲われた人々は、
Psy能力と呼ばれた特殊能力を発現させた少年たちを崇め、
自分たちを守る存在として敬っていた。

しかし、時は流れ、
平和を取り戻したその星は、
いつしか Psy 能力を持つ者を
自分たちを脅かす異端として忌み嫌い、恐れ始めた。

能力を持つ少年たちは、
森の奥、またその奥へと追いやられるように、
人目を逃れ、ヌーヴェル・リュミエール学院と呼ばれる学校で
ひっそりと暮らすようになる。

ある日、学院内の噂で、
町でフェスティバルがあることを聞きつけた少年たちは、
固く閉ざしていた未知の扉を開け、外の世界へ飛び出していく。

―いま、未来への扉が開かれる。
 
 
Psy能力のある子供たちが主人公の学園ものですね。
世界を救ったはずの”能力者”が迫害されるに至り、森の奥深く寄宿学校のようなところで生活をしているという設定で制服や挨拶の感じも含めてどこか寄宿学校……ギムナジウム的な印象を受ける雰囲気。
制服の着方も様々で、タイの色や靴も違う。(個人的にボヌールが白と黒のウィングチップ履いててものすごくときめいた)
迫害されてそこに来た者もいれば、両親も能力者?なのか普通に入ってきた子もいるような感じでした。
能力者同士の子供は能力者であることが多く、まれに突然変異で能力者が生まれることもあるらしいので、ハ〇ポタの設定と同じ感じですかね。
閉ざされた扉の外には、楽しいことも悲しいこともあるけど、未来につながる扉は開かないと前には進めない、的な展開です。
簡単には能力を認めてもらえないけれど、信じてくれる人もいる。外の世界には良いこともたくさんある、という少し残酷なところもある美しい世界の話でした。
 
両親はどうしてるのかなとか、能力者だけの街があるのか?とか色んな想像が生まれたけど今回は1時間45分であの世界観に興味を持ってもらう、のがおそらく先決なのかなと思うシーンがちらほら。
メインキャストの魅力をまずは知ってもらわないと次に進めないという感じでしょうか。
なのでそれぞれの心情吐露のシーンがあり、見せ場がある感じでした。
特にキャストの最初に名前の挙がる3人は能力のシーンや出番も多く、またパシアンスやサジェスとは違い、過去がほぼ語られていないので、次はそのあたりが明らかになるのかな、と。
先生も謎の言葉を残したり、ボヌールのラストシーンは意味深すぎて。
そういった伏線がいくつかありつつも、”まずは序章”ということで、世界観を見せるための演出はきちんとされていたと思います。
 
わたしは空想組曲のほさかようさんの演出を何度か見ているのですが。
ご本人もパンフレットでちらりと書かれていましたが、「ただ奇麗なだけの美しさ」じゃないところがなんだか惹かれます。
彼の「小さなお茶会」が好きだったのですが、その時の別垢でのメモ。

asami0331.hatenadiary.com

お話見ていないとなんだかわからない感想メモですが、なんかこうこうやってぐるぐる考えさせるようなお話を作る人だなとわたしの中では思っていたので。
その点でも楽しみにしていました。
実際、原案は別の方なのであれですが細かい演出はほさかさんの手が入っていて、やはり「一筋縄じゃ行かない感じ」が見え隠れしていたように思いました。
ただきれいごとばかりの世界ではなくて、憎悪や嫌悪、絶望の上に成り立つ幸せという美しさ、みたいなのがあって。
そういうメリハリみたいなところが良く出ていたのが、ボヌールやサジェスかなと個人的には思います。
ビジュアル的な美しさというよりも、思想とか概念とか色々含めた美しさみたいなもの。
話は王道かもしれないけれど、何か心を打つシーンがあったのは当然原作原案あってこそですが、演出の妙もあると思うので、ほさかさん演出が久しぶりに見れてよかったなと思いました。
 
演技面でいえば個人的にはボヌールの三好くんがとても印象が良かったです。
少し離れたところからではあるけれど、しっかり全体を見ていてなんとなく影のリーダーというかまとめ役っぽいのかなという雰囲気で。
口調や歩き方も相手が誰かによってうまく使い分けているような感じでした。
ポケットに手を突っ込んでいるところも、階段をひょいっと降りるところも、フィスティバルでお辞儀をするところも、ひょうひょうとした雰囲気がしっかり出ていて、なんとなく「軽そう」というキャラクター設定を見せながらも、サジェスを助けるシーンではちゃんと向き合って内面を出してくれる熱い感じがあって……心惹かれるキャラクターでした。
そのサジェスの大海くんは初めましての役者さんですが、「許され」た前後の演技のメリハリがしっかりしていて良かったなと思います。
 
少しもったいなかったなと思うのは、やはり1時間45分という時間かなと思います。
CDも予定されているしこれからのコンテンツだと思うので、今後につなげるためには、この時間で世界観と初めましての自己紹介が必須。
それを考えると多少の物足りなさや説明の不十分さはやむなし、かなと感じました。
それでも時間いっぱい使って彼らの魅力を語りつつ、伏線はしっかり残していったので、少しでもキャラクターを気に入った人は「次も見たい」ってなるだろうなと思います。
ボヌールにしっかりハマってしまったわたしはちょっと次も見たいなってなりました(笑)
舞台として成功というよりも、コンテンツとして魅力はあると思ったので(乙女向けゲーム路線)戦略としてはうまくいっているのではないでしょうか。
 
わたしの中の舞台の満足度は、基本続き物ではなくその1本で十分に満足できるかどうかという点と、前提などを踏まえなくても楽しめるものかどうか、という点に尽きるので。
今回については満足度は少し低めです。
全体の演技力・引き込む力という部分でももう少し欲しかったな……とは思います。
とはいえ、やはり配信ではなく生の舞台というのは役者の息遣いを感じられてとても良かったし、素晴らしく楽しいものだなと改めて感じました。
舞台の配信が苦手なのですが、単純に家などで配信を見ると世界観に浸れずに感情移入が出来ず集中できないというのもありますが、「見たいところを見る」が出来ないので、ストレスなんだと思います。
どうしても配信だとメインの演者に寄ってしまったりして、端のほうで演技する姿があまり映りません。
主人公がこのセリフを言っているときに周りの人はどんな表情で見ているのか?とか、さりげない仕草や表情を見るのが好きなので最初から「ここを見て」と言われる舞台配信は苦手なんだろうな。
とはいえ、映画はそうは思わないので、舞台というコンテンツの時はこう見たい、という自分の中の思いがあるからなのかもしれません。
……ちょっと脱線しました。
 
そういえば、音楽がとても良かったですね。
バロック風の、”寄宿学校””孤独を感じる少年たち””どこか現世と違う雰囲気”を醸し出す、どことなく「ポーの一族が似合いそうな感じのメインテーマ。
これにチェロかもしくはヴィオラの音色が入っているのが良かったなあ。
つらいシーンなどの激しい曲の時は銅鑼のような攻め立てるような音もしていて、スピーカーに近かったこともありますが、ドキドキしました。
一番好きだったのは、開演前の小鳥のさえずりです(笑)
思わず眠たくなってしまうような、穏やかな音で、これから始まる物語が「幸せそう」であることを意識づけられているような気がしました。(実際は単なる幸せは彼らに巡ってくるわけではないんだけども)
BGMが素敵な作品は良いですよね。
 
劇場は割とどの席からも見やすくて割と好きな劇場なんですけど(数年前はよくここで推しの舞台があった)課題は帰りのエレベーターがめっちゃ混むってことですかね。
まあ6階なので階段で降りてもさほどかかりませんので、階段をお勧めします。
博品館劇場も同様に、あそこは階段で降りたほうが早く帰れますよね。
そうそう今回で初めてのフェイスシールドを体験しましたが、泣きそうになっても目を押さえられないのが困りますね……
あとわたしは目が乾きやすいので無意識に目をこすりがちなんですが、何度かフェイスシールドあるのにこすろうとして失敗しました。
うーん難しい。
 
しかしこちらの作品は配信もあったので、お友達も見ることはできていたと思うけれど、やはり生で見るのとは違うだろうし。
ほんっと早く収束してほしいなと思います。567。

2020年9月27日ソワレ「Endless SHOCK -Eternal- 」

「Endless SHOCK -Eternal-」
日時:2020年9月15日~10月12日(全31公演)
場所:梅田芸術劇場メインホール
出演:堂本光一 上田竜也 他
Endless SHOCK -Eternal- | イベント | 関西テレビ放送 カンテレ


 
2007年から毎年必ず1回は観劇をしていたSHOCKを、今年は初めて観劇することができなかった。
元担が居なくなってからも絶対SHOCKは見ていました。出演者が変わっても大好きな演目だったから。
春公演は見たけれど秋公演は見ていない、なんてこともありましたが、年に1回の恒例行事のような観劇が今年出来なかったことは思ったよりもショックでした。
1月で自担が辞めグループも解散し、ジャニオタを止める、と色々断ち切ったけれど、この作品はまた別ものだったので。
ライバル役も変わりまた新しい世界を見せてくれるだろう、わたしの鬱々とした気持ちも晴らしてくれるだろうと思っていただけに、観劇前日に中止が伝えられた時は本当に辛かったです。
勿論、出演者や関係者だって辛いだろうけれど、あの作品を好きな一ファンとして、あの世界に浸れないことが悲しかったんですよね。
 
おそらくSHOCKをずっと見てきた人たちは何度となくあの時ライバルが出とちりしなかったら、刀を渡す前に気づいていたら……等色んなifを考えていたと思うのですが。
あの最後のステージの後を描くifをまさか公式が出してくれると思わなかった……ので、なんかもうどうなるのか、どういう未来に彼らはいるのかとかドキドキしっぱなしでした。
年々取れなくなっていくSHOCKという舞台、ソーシャルディスタンスということもあり、席が限られているから余計に無理かもしれないと思っていたけれど、光一さんが招待してくれたので(光一さん名義だからね)日帰り観劇となりました。
 
お話はあれから三年後、コウイチはすでにこの世にはいない。けれどその中で懸命に生きているメンバーを懐かしみあの時はこんなことがあった、という振り返りと共に、タツヤ達残された側も、そしてコウイチも実はあの時こんな感情だった、と感情を吐露していくものでした。
コウイチは過去の人間だから、今の彼らとは話すことはできない。
でもずっとそばにいて、優しい顔で見守っていて、そんなところもまた泣けてきて、防振のレンズはずっと曇っていました(笑)
この過去を振り返る、と現在を語る、が上手く混ざっていて、とても良かったです。
上田くんや奏くんたち新しいメンバーのファンの方は、おそらくSHOCKは初見だと思うので、その方たちからしたらもしかしたら???が多い作品だったかもしれませんが。
それでも3年前に何があったのか、その時にどんなふうに彼らがそれぞれ思っていたのか、は伝わったのではないかと思います。
フライングも舞台上のみですがリボンと傘とあり、コウイチとタツヤの太鼓もあり、NYDだってみんなで踊るし(実際はコウイチとオーナー、コシオカ・テラニシだけど)、そりたりーもあるしジャパネスクだってある。
観たかったけど見れなかったもの、が違う形だけれどそこにはあって、ひとつひとつのシーンが嬉しくてもうずっと泣きっぱなしでした。
胸がいっぱいでご飯が食べられない……ことはありませんでしたが、本当に胸がいっぱいになる幸せな時間でした。
 
光一さんの好きなところは多々あれどこうしてブログで改めて語ることもあまりなかったのですが。
本当に彼のSHOCKに対する熱というか、姿勢というか、色々と考えてくれていることがとても嬉しいなと思っています。
2007年~ここまで、このSHOCKは同じ名前だけれどどんどん違う話になっています。
勿論大筋は同じだけれど、よりわかりやすく、より丁寧に語るべきことは語り、踊りで魅せる時は魅せることに専念し、と毎年色んな改良が加えられています。
ショーを集めたような構成も好きだけれど、今のような人間模様を描く構成もとてもいいなと思います。
わたしたちがSHOCKを愛しているように、きっと光一さんもその周りの関わっている人たちも、この作品のことを愛しているんだろうなと思います。
コウイチというスターを中心としたお話は、どこか非現実的なようで、けれど置き換えればどこの組織でも起こりうるような、そんなお話だと思っています。
新たな一歩を踏み出す勇気を、誰かに伝えるという勇気を、感じさせてくれるような。そんな感じ。
きっと光一さんは正解はないというだろうから、見た人が見た人なりに何かを受け取っていればいいんだと思います。
何かしらの感情を動かし、力を与えることができる、エンターテインメントのチカラというのは本当に凄いな、と観劇するたびに感じています。
 
さて、今回初めて上田くんが演技をするところを生で見ました。
コンサートも1回しか行ったことがないし、ドラマを見たこともほとんどないです。
それでも少クラプレミアムとか、歌番組や3人旅とかのTVの向こうの姿は何度か目にしていたし、KinKiの横スタのコンサート剛さん不在のステージに、上田くんは来てくれて。
見た目はとがっているように見えるけれど、とてもいい子だなあと何だか上から目線で恐縮ですが、思ったりしていました。
その印象くらいしかなかったので、果たして彼のライバルはどんな感じなんだろう?ととてもワクワクしていました。
なんだろう、いい意味で裏切られたような、納得したような、前からライバルでいたような、そんな不思議な感覚でした。
とても自然にコウイチと並んで立っていて先輩後輩としても良い関係なんだろうな、というのがカーテンコールでのおしゃべりからも伝わりました。
上田くんのタツヤは、とても「自分」を持っている感じがした。
俺はこうしたい、でもコウイチとは違う、コウイチは好きだけど理解してくれないのは嫌だ、なんでわかってもらえないんだろう、そんな感じ。
強いんだけど弱くて、というのが上手く描かれていたような気がしました。
この今の形態になってからのライバルたちはそれぞれ似て非なるキャラクターで。
コウイチに対する気持ちも、同じようで違っていました。
ヤラにとってはのコウイチ、ウチにとってのコウイチ、ユウマにとってのコウイチ。
全部違ってそれぞれ良かったと思っていて、ただ、何となくタツヤはとても「しっくり」きた。
ライバルはコウイチに「憧れ」ながらも同時に「劣等感」を抱いている。
どうしても「コウイチにはなれない」というさだめを背負っている。
そして不満が爆発して「憧れ」を「憎しみ」や「怒り」が上回ってしまった結果があのジャパネスクだと思う。
ヤラはコウイチを恐れ怖がり”飲み込まれたくない”感じがしていた。
ウチはコウイチが好きで、見てほしかった、”認めてほしかった”気がした。
ユウマはコウイチと”一緒に作り”たくて、同じ目線で語れるようになりたかった。
タツヤは、多分、コウイチと””ずっとライバルでいたかった”んだと思う。千秋楽の楽屋でシェイクスピアをやろうというコウイチにキラキラしたまなざしを向ける中、一人輪を離れて、『また言ってるよ』みたいに呆れながらも、一緒に頑張ろうぜという雰囲気の彼らが突き上げた拳に合わせるようにして、こっそり拳を差し出して、少し笑っていた。タツヤは負けたくないという気持ちを持っていながらも、コウイチのことがライバルとしてとても好きだったんだろうなという気がする。(あくまでもわたしの勝手な解釈ですが)
自分の罪を背負って生きなければと三年後に思っているところや、自分が少しかもしれないけどコウイチに恥じずに舞台に立てるようになってからしか、墓参りに行かないという真面目さが、タツヤはとても好ましかった。
勿論、今回のこのeternalという設定だからこそそういったことが見えてきたのであって、他のライバル役の人たちもこのeternalを演じたら同じように思うのかもしれないけれど。
でもわたしは、このタツヤというライバルがとてもいいな、と思ったのでした。
出来たらちゃんとした本編をこのタツヤで見たいなと思いつつ、先のことは分からないので何とも言えませんが……
またあのカンパニーでのSHOCKは是非見てみたいです。
 
 
しかし、本当ずっと泣いてましたね今回は(笑)
マスクの色が変わってしまうくらいには(布マスクだったので)べしょべしょに泣いてました。
生オケだーー!って泣いて、しょっぱな夜の海のラストからっていう所で泣いて、屋上のリカで泣いて、タツヤの告白や泣き崩れる様子に泣いて、傘をさしかけるマツザキがタツヤの涙を見ないようにしているのに泣いて、なんかもうずっと泣いてたので、流れがあんまり把握できていないのですが。
本来幕間含めて3時間ちょっとの話を1時間50分程度に組みなおし、順番を入れ替えて現在と当時のことを織り交ぜることにより、ほぼメインシーン・メイン曲は披露し見せるという技は、すごかった。
そしてオタクが良く妄想していたであろう、SHOCK数年後のifの世界を見ることができたのは、こんな状況下だったからこそであり、コロ〇への感謝はしないけれど、結果凄いものは見れた、という。
もし、コウイチを一番大事に思っていただろうフクダやタツミがあのifにいたら、どうだったんだろうか、とも思う。
もしも、あの階段で刀を渡したのがフクダだったら、どういう未来だったんだろうか、というifをずっと考えていたりしたんだけど。
それと同じように、あの世界線のフクダってコウイチがいなくなったカンパニーからは去りそうだなあなんてことを思ったりしていたので、機会があるならばつ~ゆ~の二人側のifが見られるといいなあ。
 
通常だと11月には来年の予定が発表されるわけですが、来年はどうなるんでしょうかね……
配信はやはりあまり得意じゃないので、出来たら生の舞台を見たいのですが。
来年はいつも通りの、けれどまた進化したSHOCKを、帝国劇場の舞台で見れることを切に願うばかりです。
永遠はないのは分かっているけれど、いつまでもSHOCKを続けてほしい、とつい願ってしまいます。

陸奥守吉行と龍馬に会いに行く旅

元々龍馬や新撰組など幕末の歴史が好きだったこともあり、いつか一度は行ってみたかった高知。
今年に入ってから刀ステ維伝の話をして土佐に行きたいという話をしていたこともあり、少し前に友達と土佐へ旅してきました。このご時世というのはあるので、基本はマスク必須、除菌する。混んでるところはあまり近づかない。適度に距離を置く。です。泊まる部屋も分けたよ。
自粛期間で体力が落ちているので無茶せず無理せずの旅へ、友達とそして陸奥守吉行と(笑)行ってきました。
 
今回の旅の近侍はこちら。軽装のむっちゃんです。

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 でもやはり土佐に行くのだから、と簡易ですが土佐組もアクスタもどきを作り持参しました。
(印刷して段ボール紙に貼り付けただけですがw写真は高知龍馬空港で出迎えてくれた龍馬さんです)

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1日目
高知駅現地集合。
駅前から路面電車走ってる。何となく富山の駅前に似てる。
右手にコーナン、左手に先生の像(でっかい)とか観光案内所的なのがあります。

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さっきのとこで先生たちと土佐組の写真も撮りました。
駅にはロッカーもあるので、宿泊の為の荷物はここに入れました。

 
10:00 とさてらす裏のバス停よりMY遊バスに乗り桂浜へ
MY遊バスは1000円でチケットが買えます。当日中は路面電車も乗り放題、2日間は指定の観光施設の料金割引。
このチケットはネットを見るとバス内でも買えるよ!ってなってるけど、聞いたらとさてらすの受付で買ってきてって言われたから注意ね。
(ちなみにおっちゃん、待ってるから買ってきな~と待っててくれた)

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桂浜までバスでいくつもりでしたが、運転手のおっちゃんが、ここで降りて先に見て下ったほうが楽だよと教えてくれたのでその通りに。
大体3~40分ですかね。結構な山道なので、レンタカーじゃなくて良かったなって思いました。(自信がない)
シェイクハンズ出来ないけど、龍馬さんのメッセージが。
勝手に脳内で岡田達也さんで再生される……
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ryoma-kinenkan.jp

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池田屋の再現の畳の部屋があったので、ちょっと遊んだりしました。刀ないけど陸奥守吉行を取るふりとかして友達に写真撮ってもらったりとか(笑)

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屋上まで上がれますが誰もいなかったです。映ってるのはわたし(笑)
海が見えます。もっと晴れてたら綺麗だったんでしょうが、ちょっと暗めでしたね。

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館内にいたでかい龍馬さん。


12:20 桂浜へ
記念館から下って更に山中を降りていくと桂浜です。確かにこれを上がってくるのは疲れるので、記念館⇒桂浜がいいなって思いました。

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何となく世界は広いぜよ!って叫びたかったけど人がたくさんいたのでやめておきました。

12:30 イカ焼き食べる

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とりあえずお腹が空いていたので真っ先にイカ焼き食べました(笑)とあるブログを参考にさせて頂いて今回の旅行のスケジュールなども決めたので食べたくて……。
駐車場のそばに飲食店とお土産屋さんが並んでいるのですが、そこで食べましたよー。500円です。美味しい。

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龍馬さんの像、思ったよりもでっかい。全部入らない。

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そこから浜に降りて砂浜を歩こうとおもったけど砂が入りそうだったのでやめておきました。子供は元気に遊んでたけど。

13:00 龍王宮(海津見神社)
よく桂浜の写真の右奥に写っている神社。

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橋を渡って階段を上がっていきます。

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ここに御朱印置いてあるらしかったんだけど欠品してたので残念ながら頂くことが出来ず。次来たら頂きたい。

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柵があるけど断崖なのでちょっと怖い。あと風が強いので注意が必要ですね。帽子飛ばされそうだった。

13:30 MY遊バスにて移動
そもそもこのMY遊バス、1日使えるんだけど券には「桂浜~高知駅の片道使える」的に書いてあって、帰りはどうすんだ?と思っていたんですけど。
バスの停留所でウロウロしていたら、タクシーの運転手のおっちゃんに教えてもらって、往復使えるらしいことが分かった(笑)もうちょっとわかりやすく書いておいてくれよー!w
あ、暑かったのでアイスクリン食べました。なんかおばあちゃんちで食べたアイスみたいな味。(どんな)
お兄さんたち二人が先に買って食べていたのですが、一人が二口目で落としてたので、写真を撮るのを諦めて食べるのに専念(笑)

 
14:20 はりまや橋~商店街
肥前くんにはりまや橋に来いって言われていたので行ってきました。

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ここはよさこい節の歌で有名な場所です。維伝でも龍馬と陸奥守が歌っていた、よさこいよさいこい、なあれです。残念な名所と言われていたけど、綺麗だったし思ったよりもちゃんとしていたwので、見れてよかった。
ちなみに、空港から高知駅に向かうバスからも見れました。

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気付いたら土佐組で写真を撮っているところを友達に撮られていた……(笑)

そのあとは商店街をぶらぶらしました。クリームソーダのお店が最近できたらしく、暑かったし可愛かったので行ってみた。色が綺麗で名前も可愛い。わたしは新作の高知産のゆずを使った”女郎花色のクリームソーダ”。

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商店街は懐かしい感じのアーケード。古い店もあれば新しい店もあり、アクセサリーのレンタルボックスの店を見つけて、買い物したりしました。良き買い物をしたぞ!
大丸の斜め前?くらいに高知の名産とか売っているアンテナショップ的なものもありました。アイスとかアクセサリーとか、カレーとか売ってたよ。

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商店街の中にこういうのがあった。そういえばその地にはいかなかった…。これは次回にでも。

16:50 ひろめ市場~
ぶらぶらしてたら着いたのでお腹すいたしもうご飯食べようぜ!と混む前に食べて移動する計画を実行。とりあえずビール!とカツオのたたき。あ、ビール写ってない(笑)

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クジラベーコンと、クジラ煮?的なものも食べた。


【文久土佐から令和土佐へ】維伝も見たことだし吉行も展示されてることだし土佐に行きました【その3】swordtrip.wordpress.com


実はこちらのブログを参考にさせて頂いてこの旅をしたのですが、ここでも紹介されていた塩タタキが食べたかったのでその付近で。

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日本酒も飲んで、うつぼの唐揚げも食べたよー。(つ/い/す/て好きな人はぜひ?)小一時間ご飯食べて混んできたので移動し、2軒目でもタタキと諸々食べる。ここでも日本酒。

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ぶらぶら酔い覚ましに(と言っても飲んでいたのはわたしだけである)駅まで歩いて帰り、荷物を引き取ってホテルへ。とりあえずお風呂入ってから部屋でちょっとアイス食べたり翌日の予定を立てたりして解散。(泊まる部屋は別です)
そして部屋を満喫しようと思っていたのに、あっという間に爆睡。


2日目
8:00 集合~日曜市
高知駅から歩いて15分くらい?
主幹道路から高知城へ向かう道路にずらっとお店が。
車で来れる距離とかだったら買って帰りたかったなーーー
朝ごはんに地元で有名らしいパン屋さんのたまごサンドや、ピザパイみたいなの食べました。美味しい。(お腹減ってて写真撮るの忘れたよ!)


9:00 高知城攻略~高知県高知城歴史博物館

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敵陣に乗り込むぞ!!!!

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階段辛いマジ……高知城城内、天守閣まで上がるなら荷物は最小限、足腰に自信がある時にしよう、マジで。とりあえずこの城までたどり着くのに苦労した。(そして中も急な古い階段なので、超大変)
あれを攻略していくむっちゃんたちは元気だね、という会話をしました。おそらく、南海先生は「後からいくよ」とゆったり登ってきたんだろうなあ。

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着いた頃には汗だく。 

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天守閣は欄干とかを修繕しているそうで来年の2月くらいには元の姿に戻るそうです。なので今回は残念ながら覆われている状態。

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城に入るのには入場券がいりますが、その際に登城証明書と城カードが買えたので記念に買いました。↑の写真の左側に写ってるやつね。
城を出て下っていく時に、知らぬおじさんに声掛けられて、近くに生えてた謎の木の実を食べさせられたそういえば。イヌビワっていう無花果みたいな味のする実でした。美味しかったけど、半分くらい土佐弁が分からなかったwごめんね、おじさん。

城を出てすぐ目の前にある高知県高知城歴史博物館へ。めっちゃ涼しい(そこ)高知の歴史を知ることが出来ます。

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常設の方で南海太郎朝尊の刀本と刀があります。折角なら訳されたものも見たかったなあと思いました。達筆すぎて読めないし!(笑)きっとマニアックなことがたくさん書いてあったんだろうなあという偏見。
博物館の中に喫茶店があったのでそこで朝のおやつ。ケーキ美味しい。

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11:00 龍馬の生まれたまち記念館
これは歩けるんじゃない?と高知城からひたすら歩いていきましたが、暑かったのでちょっとへばりました。途中で「坂本龍馬生誕地」の記念碑と説明書きのボードなどが置かれていました。

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ryoma-hometown.com

入り口にも龍馬さんがいる。

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中の龍馬さんのお部屋。ちょっとこれも大きい。けど隣に座って写真が撮れます。前のテーブルにはパンフレットとか置いてあって、交流ノートがあったのでちょっと書きました。(そしてそれをまた撮られていたw)
記念館の中自体は割とあっさりというか、あれですが、今回は二階の展示で「陸奥守吉行」(刀鍛冶の方)の刀が展示されていたので見たくて。
ここだけ写真撮れないのが残念……ちなみに、兄の上野守吉国、弟が陸奥守吉行です。その脇差が見れました。
そうそう、中庭で龍馬さんたちと写真が撮れますよー

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さすがに戻る時は路面電車に乗って、再び商店街付近で下車しお昼ご飯に向かいます。

13:00 お昼ご飯~買い物
昼からビール。そしてまたカツオのたたき。寿司付き。

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龍馬の生まれたまち記念館で買った陸奥守吉行の鍔とむっちゃん。
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昼食後は商店街をぶらぶらして駅まで。さんごが名産って知らなくて、やたらとさんごのアクセサリーを売っていたのですが、ピンキリすぎて手が出せなかった……
そういえば駅で高知のフィギュアガチャやったら、一発で龍馬が出たの、神がかっていたな。いまむっちゃんのアクスタの隣に並べています。小っちゃいけど。

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そうそう、これも↓土産で買ったのですが、高知が誇る有名人小野大輔さんプロデュースの日本酒。何となく買っておかねばならない気になったので(笑)ちなみに高知の有名人フィギュアには歴史上の人物に混ざって小野さんも入っているのであった…。

www.nishitora.jp

あ、あと今更ながらに龍馬パスポートの申請をしてみたり、お土産屋で陸奥守吉行にきゃっきゃしたりしました。そういえばとさてらすで龍馬さんに壁ドンされた風の写真が撮れるやつ、探すの忘れました。これもまた次回。

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今回行った博物館とかの冊子と半券とか。缶バッジは龍馬記念館の方で売ってました。ぜよ。
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17:00 解散
駅前でお茶してのんびり買い物して、別々のルートでそれぞれの帰路へ。

あれもこれも、というのは中々体力的にも厳しかったので、龍馬に会いに行く、をテーマにしつつ、実は「カツオのたたきを食べる」がメインだった旅でした(笑)
数年前に倉敷に一緒に行った友達なのですが、その時も美味しいもの色々食べたなあとかそんな話をしつつ、のんびりまったり(時々汗だくになりつつ)旅してきました。
次回は植物園とかも良いかもしれないなあ。朝から結構人がいた。
龍馬の街なので、他に見るものというと……にはなるかもしれないけど、また行きたいなあ。
ぼーっと桂浜を歩きたい。
日曜市で野菜買いたい(野菜をスーツケースに詰めて帰るつもりか)
でも京都も福岡も行きたいし、刀を見に行く旅も行きたいなあ。などと思っています。
久しぶりに友達と逢って話が出来たし、こんな状況だからマスクも手放せず手を洗ったり除菌したり、食べつつもマスクをしてから話したり、と大変ではあったのですが。
それはそれで良い思い出なのかなと思いました。
友達といろんな話をしつつ、陸奥守と共に行く旅はまっこと楽しかったぜよ!!!!



おまけ:
空港も早い時間で売店が閉まってしまう感じで、飲食店は2店のみ。
フライトにかかる時間は短いし、帰ってからご飯にすればいいか―と思ってお土産屋さんをぶらぶら。
そしたら出発ロビーの奥の酒コーナーで桂月の試飲をしていまして。
客寄せしてたお兄さんに吸い寄せられるようにして試飲をした結果がこちらです。

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いや、飲みやすくて美味しかったんですよね……
買ったのはこちらのお酒です

清酒 桂月 土佐酒造株式会社 | 土佐の田舎の土佐の酒 (日本酒)

桂月は高知県土佐町相川の棚田米を使ったお酒です。
何かお洒落なパッケージ。にごり酒はあんまり好きじゃなかったけど、どろどろしてなくて美味しかった。でもまあ結局買ったのはこの二つでした。
元々旅行に出たらその土地の酒を買う、と決めているので1本は買う予定だったのに、なぜか2本買ってたね。普段はやってないらしいよ。レジのお姉さんが美味しいですよねー!でもあんまり試飲やらないんですよって気さくに話しかけてくれました。
10月の維伝蔵出しが出た時にでも見ながら飲みたいと思います。

対して役にも立たない旅行記でしたが、以上です。お疲れ様でした~

2020年7月25日ソワレ「科白劇 舞台『刀剣乱舞/灯』改変 いくさ夜の徒花の記憶」

2月末から舞台も中止が続き、久しぶりの舞台観劇は、現在わたしが絶好調にはまっている刀剣乱舞の舞台でした。
1月に「維伝」で初めて刀剣乱舞の舞台を知ったわたしでしたが、5月にDMMさんでの一挙無料配信、6月末・7月と日テレ+でも一挙放送があり、すっかり舞台版の刀剣乱舞の魅力にはまっています。
刀剣乱舞」というものは元々細々とゲームはしていたものの、舞台にもミュージカルにもなかなか手を伸ばすチャンスがなく。維伝で推しの俳優(龍馬役の岡田さん)が出演するとなり、見に行ってその世界に引き込まれました。
あの世界のなにが心を打つのか、というのは一言では言い表すのは難しいのですが、一気にはまってしまい気付けば中でも心に残った悲伝と慈伝のDVDを購入してしまいました。(維伝は既に持っています)

さて、そんなことは置いておいて今回の舞台は「科白劇(かはくげき)」という新しいものでした。新型コロナウィルスの影響によりソーシャルディスタンスを守らねばならず、劇場でも対策をしっかりとらなくてはならないし、客席も通常の半分、演出も制限される中で一体どんな舞台になるのだろう、とワクワクしていました。

25日夕方、小雨の降る中品川駅について、品川ステラボール方面へ。品川プリンスの横のアクアパークの中にあります。映画館と同じ入口です。よく考えたら初めてでしたね、この劇場(でいいのか?)に入るの。
入るまでも一定の距離を保つように指示され、スタッフさんは雨の中もレインコートにフェイスガードをしてマスクをして立っていらして、本当に感謝しかありません。
中に入っても足元にテープで線が書かれていて、2列で並んで手をアルコール消毒して、それから靴の裏をアルコール消毒して検温。チケットは紙の人は見せてから自分でちぎって箱に入れます。
グッズはパンフレットのみ。4か所くらいレジがありカードも使えました。ここにもビニールカーテンが付けられていました。ささっと購入して席へ。わたしは唯一とれたのが2階席だったのですぐ横の階段で2階に上がりました。16:50くらいには中に入ったのですが、トイレがらがらだった…。めっちゃ空いてた。
席は1個ずつ開けてあって、テープで座らないように留められていました。席番は見やすいように紙に書かれて再度貼られていました。ちなみに2階に上がった所にもアルコールが設置されていました。安心だね!
このご時世、床に荷物を置きたくないと思うので何かビニールシートの小さいのとか持って行った方が良いかもしれないです。わたしはトートバックで行ったのですが、抱えて見るには邪魔だったので、100円ショップで売ってるビニール製の巾着バック(子供がよくプール行く時に使ってるようなやつ)を持って行って、仕舞いました。

さて、早めに入ったのでぼんやりパンフレットを見たり、先に見た友人にLINEを送りつつ場内を見ているとあっという間に17:30、講談師の方が舞台上の下手の座布団の上にあがります。
科白劇の説明やマスクをしながらの舞台になることを説明してくれ、次第に舞台の世界に入っていきます。基本的にはト書きのような説明を講談師が行いながら、刀剣男子は台詞や殺陣をソーシャルディスタンスを保ちつつ舞台を進めていく形です。
ちなみに、講談師は特殊な「刀装」だそうで(笑)滔々と語りながらも、刀剣男子とも会話を行うのが面白い。

話は慶長熊本。熊本城の特命調査後、他の本丸の報告書を参考に見ていると「同じところもあるが、違うところもある」と皆で読み解いていく話です。
どうやら、今回の舞台で描かれている話は、刀ステの本丸とは違う「別の本丸」の記録のようです。時々本来の刀ステ本丸(以後、本丸表記)の刀剣男子が報告書片手に「ちょっと違うね」と読んでいく描写が入ります。その辺りが1回見ただけでは少し曖昧ですが境目が分かりにくく、これが本丸のことなのか、別の本丸の話なのか一瞬分からなくなります。(それが狙いなのかもしれないですが)
許されたいガラシャガラシャを殺したい忠興、ガラシャを盟主と仰ぎ守る死んだはずのキリシタン大名……刀剣男子と戦うというよりも、ただ守りたかったという印象の今回の戦い。最終的にはガラシャは愛しているからこそ他の誰かではなく忠興に殺されたかったのであり、忠興は愛しているがゆえに自らの手で殺せなかった。そしてガラシャは忠興の刀である『鬼』こと歌仙兼定に斬られることを望み、散っていく。
作中に出てくる「鬼の嫁なら蛇のような女がお似合いでしょう」という会話や、ガラシャを見た庭師を殺した忠興については、一応歴史で残っているものと同じかと思います。細川夫婦については本当に愛し合っていたのか、憎しみあっていたのかはわかりませんが、今回の別本丸の二人はすれ違い互いの願いを叶えられずに死んでいった、という印象です。
そこがまた切ないというか、不器用というか、そういう世だったのかなあとか。

一応この熊本の特命調査は決着がつき、再び本丸。
最後にもう一度報告書を読み解こう、と長義が歌仙を隊長と呼ぶ。(歌仙部隊は第3部隊の模様)歌仙はそれに任務があるからと答えほかのみんなは去っていく。その後、歌仙は主へ「特命調査の話をしてくれって?主が2020年で起きていることを解決しろと言ったんじゃないか。帰ってきたら僕たちの特命調査を聞かせてあげるよ」(ニュアンス)と歌仙は微笑み、去っていく。
この台詞は主にというよりも、見ているお客様の方に言ってくれているのからなあと思います。この状況が落ち着いたら、きっと本当の綺伝が見せてくれるんだろうな、と期待させるような意味深な言葉でしたので、その日を待ちたいと思います。


と、まあ大枠は熊本城特命調査の補足というか、何故姉上と地蔵が呼ぶのか、どうしてあんな風に現れたのかなどが描かれ、その裏にあった細川忠興ガラシャの愛の話、ではあると思うのですが。幾つかの疑問というか、もやもや残る部分が当然ながらあるわけです。

熊本城城下に行った時に本丸の歌仙が出てきてこの時は「僕たちの時と同じだ」と言う。そして読み進め、細川忠興と城下で逢った時(シーン)でも「同じだ」と言う。
しかし忠興が高山右近獅子王・篭手切江の前に現れた時、獅子王が「ちょっと違うな」と言っている。後いくつかあったのですが、メモ解読したら書き足します。

あと、既にこの世界のキリシタン大名たちは彼らが刀剣男子だという事を知っている。そして彼らは獅子王の連れている鵺と同じような「混ざったもの」という話が2回ほど出てくる。これは最後まで解決はしなくて、維伝の時の「朧」ともまた少し違うようなニュアンスで、かといって時間遡行軍とも異なるようで。本来の綺伝ではその辺りは少し語れらるのだろうか……と謎が残ってしまった。

黒田孝高が何度も「今」を繰り返していることを告げるシーンがある。ただし、それはループ(円環)ではなくなぞっている、という表現だった。同じ線の上を何度もなぞる。何度もなぞることにより、少しずつ線の太さは変わり、前回と「同じ」ではないところが増えていくということなのかな?濃くなる部分もあれば、かすれていく部分もある。そうして蓄積されていく記憶を持って、黒田孝高は何かを考えている、と思う。

あと「濁っている」とも言っていたので、この世界線はifのひとつなんだなぁと言う印象。

別本丸の話の最中に語られる「小烏丸が文久土佐で違和感を感じていたこと」や「黒田官兵衛と山姥切国広が戦ったこと」「へし切長谷部に聞いてみよう」などの言葉から、この別本丸も本丸も同じような歴史をたどっていることが推測されます。
しかし維伝のパンフレットの順番だと、慈伝の後に消された何かがあり、その後に維伝が来ています。おそらくそこが今回やるはずだった本丸の「綺伝」だと思われるので、そうなると、別本丸と本丸の歴史軸は慈伝以降で少し異なるのでは?という憶測が立ちます。本丸は慈伝→綺伝→維伝、別本丸は慈伝→維伝→綺伝(仮)となるのでは?と、浅はかにも考えましたが、そこは大したことではないのかもしれないし、すえみつさんだから大したことあるのかもしれないし(笑)
刀ステ履修しはじめて浅いので皆様の様に世界線について深く語ることは出来ないのですが、奥が深いぜ……となりました。

とりあえず細かなところは千秋楽の配信を見つつまとめようかなぁと思います。キャストについても簡単に。

歌仙さん。刀ステを一気に見たので、一番馴染み深いというか親しみのある人。移動する時のタタタタって感じと、裾を少しつまんでいる所が可愛いなぁって思います。意外と男らしい殺陣も好き。
長義くん。ちょぎ。刀ステ初登場があの慈伝なのであれから成長したなぁ…。とりあえず椅子に座って足組むとこの演出考えた人天才。最高。
地蔵くん。白タイツ。ガラシャ様に翻弄されているのが可愛い。弟にしたい。
古今伝授。太腿…(そこ)みつあみが可愛い。得体がしれない……
獅子王くん。元気で笑顔が可愛くて。とても獅子王でしたね。あと獅子王の小烏丸のマネが面白かった(笑)
にっかりさん。まだ二十歳そこそこだと聞いてびっくり。癖のあるキャラクターですが、ちょっとつかみどころの無い感じが似合っていました。
亀甲さん。放置プレイの人(笑)まだあまり掴めてない…うちの本丸でも育ててないので今度ちゃんと育てます。
篭手切江くん。まだ手に入れていない子なのでどんな子か分からないけれど、すていじに立とうとしてる子だよね。衣装が可愛いなーって思ってみてた(笑)

歴史上の人物たちは今回キリシタン大名ということで「ドン・●●」と呼び合うので、いったい誰が誰なのか良く分からなくなりますが、そこまで影響はなかったです。というか意図的にそうしていのかもしれない。あえて小西とか高山とかの大名の印象付けをしないことが、混ざってるかんじだったのかも。
唯一肝となるのは黒田孝高。彼は前述していますが、これが何度目かのループであり、その度に違う刀剣男子が来て戦うことを知っている。そして別の時間軸の黒田官兵衛の記憶も持っている。本来の綺伝でここが少しは明かされるんですかね…。

そして、キャスト陣の目玉は今回はやはり刀ステ初の女性キャストである細川ガラシャ役、七海ひろきさんでしょうか。実はこの方わたしの友人の贔屓でして、宝塚退団後のご活躍も耳にしたり目にしたりコラボカフェにお邪魔したりと知っているお方でしたので、とんでもなく驚いた、と同時に「今回のガラシャ様男前になりそうだな…」と思っていました。
いやもうだってひろきさんのLINE登録してみてほしいんですけど、この人凄いから。わりと殺しに来るから……毎度男前すぎてしんどい。なのに突然スタイリッシュ体操とかやってくるから良く分からない……。

で。歴史上の人物として知っているガラシャは美しく強く、というイメージでした。己を蛇と例えた逸話からもですしあの明智の家系ですし。ひろきさんのガラシャ様はこれまた強そうでイケメンなガラシャ様になりそうだなと思ってましたが、でも公開されたビジュアルは美しい女性!という感じで(当たり前だけど)強そうというのとは違うのかなぁと思ったら、ある意味想定通りだけど、いやでもあの中で最強じゃね?な強いガラシャ様が後半降臨されてどうしたらいいか分からなくなりました。

いやだって!ずっとあのビジュアルかと思ってたらさ!オスカル様来たよ!!!??

白髪カールロングで蛇革のロングコートにブーツって……もうなんか白いけどあれはオスカル様だった……カテコの時はわたしにはガラシャ様の背中に羽根が見えたよ……

地蔵くんをからかってはくすくすと笑ったりする意地悪な感じと、細川と相対した時の憎しみと愛しさの混じった感情の爆発と、導く立場であれと願っていた強いリーダーとしての顔と……なんか色んなガラシャ様が見れてとても良かったし、七海さんがガラシャ様で良かったなぁと。

旦那との愛は深いのでこのあたりもちゃんと掘り下げて書きたいところ。

 

 

とりあえず刀ステはちゃんと対策取られてたし出来ることを見せてくれて、すごいなと思いました。大演練も中止になっちゃったけど、その対応も素晴らしく、これからも推していこうと思います。

2020年1月25日ソワレ「天国の本屋」

ミュージカル「天国の本屋
2020年1月~2月、東京・大阪にて上演
原作:松久 淳+田中 渉 ≪天国の本屋≫(新潮文庫刊)
脚本・作詞・演出:菅野こうめい
音楽:坂部 剛
 
 
A.B.C-Z河合くん主演の舞台。
原作付きのお話ですね。
わたしは原作は未履修でした。
 
 
HPのコピーはこのような感じ。 
 
「天国」それは誰も経験したことのない世界。
天国には町も、小さな公園も、喫茶店も、本屋さんもあります。
そして、恋だって…。

どこか不思議で、ファンタスティックな物語。
淡い恋心がよみがえるラブストーリー。忘れたくない恋のトキメキ…。
本を読んだ人も読んでない人も、劇場をあとにする時、
心がほっと温かくなるような、ちょっと優しくなれるような…。
そんな素敵なひと時をお約束します。

きっと、忘れかけていた心の中の温かさを思い出すでしょう。
 
セットは基本は本屋と喫茶店しかないのでそこが「天国」であることとか、街のひとつであることとか、他の誰かが住んでいることなどがちょっとわかりにくかったかなという印象。
でも本棚を移動して説明をしたり、というのは少し面白いセットだったかなと思います。
 
あらすじはこちら。
就職活動中のさとしは、ヤマキというおかしな男に”天国の本屋店長代理”にスカウトされ、一時的に天国に連れて来られてしまったごく普通の大学生。その『ヘブンズブックサービス』(=天国の本屋)では、すでにユイという不思議な魅力のある緑色の目をした少女が働いているが、さとしに全く馴染もうとしない。ヤマキは、ユイは心に傷を負いリハビリ中なのだと告げる。

さとしは、とりあえず店長代理という事で働くことにした。すると、「お兄ちゃん、これ読んで!」と、本屋に遊びに来る子供たち。そう、『ヘブンズブックサービスには、本を読んであげるサービスがあったのだ……。

最初は気が乗らないさとしだが、子供たちの純粋さにひかれ、一生懸命要望に応えようとする。そんなさとしの姿に、ユイも少しずつ心を開き始めた。

そんなある日、ユイの過去を知るときが来て―
 
お話としてはファンタジー要素というか、少し絵本みのあるお話だなあと思います。
天国でも家があって仕事があって、輪廻でまた生まれ変わる、みたいなの。
緑色の瞳の人には理由がある、みたいなところも設定としては面白く、児童文学に近いような印象を受けました。
 
河合くんの歌は昔よりもぐっと聞かせるものになったし、彼が笑顔で歌って踊っているのを見るととても嬉しいのでそういう意味では少し辛いシーンもあるけれど、ハッピーエンドのミュージカルに出演してくれてよかったなと思いました。
ただ、ミュージカル、ということでしたが主役の河合くんはあまり踊らないのが気になりました……寂しい。
あと同じ曲が何回も出てきて、同じフレーズをそこまで使わなくても良いのかなという感じは思いました。(最初の方の曲とか)
あの曲3回くらい歌ってたと思うけど、そこまで長くなくても良いかもな~とか。
印象付けたいならBGMでも良いわけだし。
ただ他の方々も歌メインで選出されているようで、迫力もあってとても良かったかなと思います。
 
河合くん演じるさとしが本を読むと、まるで映像を見ているかのように聞こえる、というのがこの話の面白さというか、特長なのだと思うのですが。
舞台でそれをどうするのかと思ったら、周りのキャストさんが演じてくれるのね。
ヘンゼルとグレーテル」はちょっと長かったけど、まあうまい人の演技を見られるのは良かったかな?
いやでもなんかもう少しメリハリは欲しかったかなー。
でも河合くんが本を読んでいる時のライティングが美しくて、河合くんのお顔綺麗だなーと思って見つめてました。
バチバチだった。
その読み聞かせの最後に出てくるお話が「ナルニア国物語」なんですよね。
わたしこのシリーズが個人的に好きだったこともあって、あのシーンをみんなで再現するのがちょっと感動というか、凄い!って思って見ていました。
でもよく考えたらめちゃくちゃラストのネタバレなんですよね(笑)
全く読んだことのない人がいたら『何言ってんだ?』って思うだろうな。
基本は物語が好きな人が読むの前提なのかなという気がしたんだけど原作はどのくらいの熱量でこの辺り書いているんだろうか。ちょっと気になる。
でもあの話って児童文学にしては結構重めでシリアスで、でも小さい頃はドキドキしながら読んだので、そのころのことを少し思い出したりもしました。
わたしは本を読むと頭の中でその人が喋っていたり、映像として浮かんだりするんですけど(声なんてもちろん聴いたことあるわけじゃないので自分の頭の中で勝手な声をアテレコしているんですが)その感覚に近いのかなあと思いました演出的に。
あと舞台で出てくる「泣いた赤鬼」は普通に好きな話だったので泣きましたね。
あれは作品チョイス的に泣けるので、感動の涙ではなかったんだけど。
あと、おばあちゃんが死んじゃうとか弟に最期に続きを読めないまま死に別れちゃうとかも普通に泣いちゃうエピソードなので、わりと泣いてましたね(笑)
最後にユイがトラウマを克服できて本当良かったなと思いました。
 
ただ、あまりヒロインに感情移入が出来なかったんですよね。
彼氏と一緒にいたいのに弟の面倒も見なきゃいけなくて、葛藤する中で大事な弟を失った少女。
わたしも弟がいるし、本を読んであげられなかったことを後悔してるっていうのは凄く辛いよなって分かるんだけど。
いつさとしのこと好きになったの????
っていうのがとても違和感で、よくわからなかった……
さとし→ユイは一目惚れに近い感覚だったんだと思うけど、ユイ→さとしは最初は興味ないし嫌ってたはずなのに突然お茶に誘うシーンが入ってきて、あれ?って。
その前にキスはしないみたいなことを言ってたのに。
ツンデレにしては突然デレが来てて、よくわからなかった……
なんかここがしっくりこなくて、無理にLoveにしなくてもよかったのでは?と思ってしまった。
時間配分的に「読み聞かせの表現力」に重きを置いていたからなのかもしれないけど、ラブで終わらせるならもう少しその過程も描いてほしかったなと思います。
なので全体的には面白かった、と思いますが少し物足りないというかすっきりしない部分はありました。  
 
本編以外の感想としては、共演されていた佐々木さん(足長のイケメンさん)も好きなので歌とダンスを堪能出来てとても良かったですね。
でもどうしても見ると某所の某アレを思い出すので、ちょっと動揺します。
ちなみにエリザベート今年も出演されるということなので、どうにかチケット探したいところ。
 
あと、言うべきかは迷いましたが、TLのお友達も言っていたので残しておきますね。
最後の白い衣装で二人が歌うのが宝塚のデュエダンっぽいと思いました!!!!!(笑)
昨年からすっかり宝塚にも洗脳されているわたしです。
エンディングで白っぽい衣装で主役が踊るのってそう思うじゃん……。
 
 
まあそんなこんなで、ジャニオタとしての見納め舞台は、元担の河合くん主演ミュージカルということになりました。
好みか好みじゃないかで言ったら微妙ですが、熱量はあったなと思います。
キャスト・スタッフの皆様お疲れ様でした。

2020年1月18日マチネ「阿呆浪士」

「阿呆浪士」  
東京 2020年1月8日(水) ~ 2020年1月24日(金) 新国立劇場 中劇場
大阪 2020年1月31日(金) ~ 2020年2月2日(日) 森ノ宮ピロティホール
 
喜劇の名手、鈴木聡の傑作、
赤穂浪士】ならぬ、【阿呆浪士】。
一介の魚屋「八」が、赤穂浪士として討ち入りを果たすまでを
笑いたっぷり、泪ちょぴりで描く
エンターテインメント時代劇。 

脚本  鈴木聡
演出  ラサール石井
出演  
戸塚祥太A.B.C-Z
 /福田悠太(ふぉ~ゆ~)
 /南沢奈央 伊藤純奈(乃木坂 46) 宮崎秋人 堺小春 八幡みゆき 新良エツ子
 /佐藤誓 おかやまはじめ 松村武
/西海健二郎 おおたけこういち 辻大樹 堀田勝 MAEDA 立川ユカ子 安川里奈 木下桜
 /玉川奈々福竹内都子小倉久寛
※1/12(日)の東京公演及び、大阪公演については、玉川奈々福に代わり真山隼人(浪曲)・沢村さくら(曲師)が代演。 
 
 
************************
 
A.B.C-Z戸塚さん主演の舞台。
ジャニーズからはふぉ~ゆ~福田くんも出ています。
あらすじはこちら
 
時は元禄。
とある長屋に住む魚屋の八(はち)は、ある日ひょんな取り違いから赤穂浪士血判状を手にしてしまう。お調子者の八は、長屋小町のお直の気を引きたい一心で、自分が本物の赤穂浪士だ、と嘘をついてしまう。
一方、大石内蔵助は、風車売りに身をやつし、飄々と暮らしている。大石内蔵助の娘・すずは、いつまでも討ち入りを決行しない父に業を煮やして赤穂から江戸に乗りこんで来る。すずは、お調子者の八を利用し、集まってきたニセモノの赤穂浪士たちと討ち入りを決行しようとするが・・・。
 
赤穂浪士は赤穂の殿様に忠臣したが、阿呆浪士は阿呆の神様に忠臣する。
武士道でもない、意地でもない。
ノリよく、楽しく、正直に、あっぱれ散った、花の元禄。
乞御期待、『阿呆浪士』。
 
 
この日は折しも雪模様。
雪が積もるほどは降りませんでしたけれど、そんな日にこの作品を見れたのはちょっとラッキーだったな、と。
戸塚さん単独の舞台を見るのは久しぶりのような感じですが、おそらく「熱海殺人事件」ぶりかな。
……あれ、行ったよね、わたし?(聞くな)
ともかく、題材として赤穂浪士は好きだし戸塚さん&福ちゃんがどんな感じになるのか見てみたかったので行ってきました。
 
お話としては嘘が嘘を呼んで最終的に赤穂浪士として切腹に至るので、単純明快な大団円ではないのですが。
そこまでの過程が本当「阿呆だなあ」という”男って本当馬鹿なんだから”という、奥さんたちの苦笑が見えるようなお話でした。
演出としてはややドタバタ感があり、セットは凝っているのだけどちょっと『ここ』がどこなのかわかりづらい部分もあったかな……
謎の踊るところもあったりして。
でもまあ喜劇っぽいドタバタ感はあったし、語りが面白かったので良かったな、と。
 
戸塚さんの芝居を見ていると、たいてい錦織さん……って気持ちになるんだけど、錦織さんよりも声の通りが気になるかな。
わたしが見たのは幕が開いてから1週間でしたが、戸塚さんはまた声をちょっとやっていたので、もう少しそこは慣れてほしいなと思いました。
あとわーっと喋るからちょっとセリフが聞き取りづらい。そこがもったいないなあと思います。
でも彼の演技って憑依してるでもなく、あれは戸塚さんなんだけど、でも阿呆なお調子者の八さんみもあって、自分を役に染めていくよりは、役を自分色に染めていく感じなのかもなとも思ったりしました。
あと下品だし助平だけど、そこまでやらしくないのは、戸塚さんだからかもしれない。
初演というかラッパ屋さんのを見ていないので、あの八さんがあっているのかは分からないんですけど。
面白ければいいというノリで生きる町人、という役柄を体当たりで演じていた感はありました。
あ、もう一つ、戸塚さんの目力はやっぱりすごい。
 
 
さて一方福田くんは、赤穂浪士の一員だったのに女に惚れてかたき討ちを諦めるという田中貞四郎という役。
真っ直ぐで面白みはない真面目人間で、だからこそ初めて好いた女性を守りたいという気持ちが強い。
台詞も出番もすごく多いわけではないけれど、準主役級の良い役を頂いたなあと。
武士として生きてきたからすぐに町人に馴染めず、でも妻のために、と自分の心を少し誤魔化してかぼちゃ売りをしている姿が、何だか切なかった……
それでも結局赤穂浪士(ではない人もたくさん混じっていたけれど)が敵討ちをして皆が切腹させられるとなった時。
やはり武士の心を捨てきれず自ら切腹をして死を選ぶというのが、突然感はあったかなと思う。
いや、あのとき決断したんじゃなかったのか?
主を失って敵討ちをすることよりも、一人の女性を愛することを選んだはずなのに、最後結局死ぬんかい!っていう。
自分の心に正直になること彼らは『良し』としていて、たとえ阿呆と見られても良いんだっていう心意気が見せ場なのかなと思ったんですけど。
だから貞四郎は何故?という気持ちがありました。
うーんでも、やっぱり武士は武士として死にたいって思っちゃったのかなあ。
ただ、舞台のど真ん中、雪の降る中倒れて瞼を閉じる姿がとても綺麗で、思わず涙ぐんでしまった。
っていうか主役級の死に方で、ちょっとビビったよね。
カテコではいつもの”福ちゃん”でとても安心しました(笑)
福田くんは役に完全に憑依するタイプではなさそうだけど、見ているととても自然体だなあと思うので、戸塚さんと近いタイプの演技者なのかもしれないなと思う。
最近の役は比較的本人たちに寄せた役どころが多いのであれですけど、以前福田くんが青山のDDDで主演をやった「DAY ZERO」の時は、こんな演技するんだ!とびっくりしたので、いろんな可能性を秘めている人だなあと思っています。
 
最近の舞台ではうちわとかペンライトOKなのもあったりして、わたしはそれは邪魔だなと正直思いますが(笑)
でも今回の舞台での使い方がちょっと面白くて、2幕冒頭の戸塚さんの突然の演歌タイムの時にキャーキャーする用でした。
ペンライトはふぉ~ゆ~のふゆパラのを持っていったので、ピンクにしてキャーキャーしました(笑)
ちょっと楽しかったです。
 
 
個人的に、この数日前に自担が退所とグループ解散が発表されたので、行くかどうかをとても迷ったんですけど。
なんかこう、「人生は一度きりなんだから自分の心に正直に素直に生きろよ!」って感じのメッセージが重くてちょこっと辛かった……
でもなんかこう戸塚さんや福田くんを見ると、昔から彼らを見ているからなのか落ち着くというか(笑)
少しホッとした気持ちもあって、楽しく観劇しました。
再演をして欲しいというよりは、皆で「地獄八景亡者戯(じごくばっけいもうじゃのたわむれ)」さながらあの世でドタバタする話を見てみたいなとも思いました。

2020年1月6日~11日 WBB vol.16 「ミクロワールド・シンフォニア」

2020年1月6日~11日  WBB vol.16 「ミクロワールド・シンフォニア

【原案】小峯裕之
【脚本】佐野瑞樹
【演出】佐野大樹
【振付】OH-SE(電撃チョモランマ隊)
【出演者】
古謝那伊留(関西ジャニーズJr.)
佐野瑞樹/吉澤 翼/松井遥己/空乃みゆ
OH-SE(電撃チョモランマ隊)/和泉宗兵
佐野大樹/高根正樹 北川雄也
秋山大河(MADE/ジャニーズJr.)
【公演スケジュール】2020年1月6日(月)~1月11日(土)
【劇場】紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA
 
WBBさんの前作「トラベルモード」中に発表された作品。  
関西ジャニーズJr.の古謝くんが主演の舞台。
悪役として、MADEの秋山大河くんが出演しました。
これが彼のジャニーズ人生最後の作品になってしまったんですけれど……。
そのあたりのことは元のアカウント名義のブログで散々書いたので割愛します。まだ傷は癒えてない……)
 
あらすじはこちら。
 
勤勉で正直者、働きアリのアンドリューには、ある夢があった。
それは、いつか虫たちのエンターテインメントの聖地、“シンシティ”でステージに立つこと。

音楽が栄えるも、荒廃し、街を牛耳るボス“フィクサーG”が支配する、欲望の街“シンシティ”。
そんな中、アンドリュー憧れの劇場は経営がひっ迫し、閉鎖の危機に瀕していた。

「この劇場は、僕が守る――!」

「努力」と「絆」を武器に、“フィクサーG”に立ち向かうアンドリューと仲間たち。
その時代遅れの彼らの武器が、
果たして、“シンシティ”に奇跡を呼ぶのか――?! 
 
アンドリューは前作「ミクロワールド・ファンタジア」の主人公アレックス(松田元太くん)の友人という設定です。
なのでセリフには少しだけ出てくるんですけど、関係性とか何故最後にアレックスが藤崎さんにアンドリューのことを頼んだのか、というのがちょっと曖昧でした。
この関係性はあまり語られていないところなので、絆を強調するのであればもう少しそこは盛り込んでも良いのかなと思いました。
それでいくと、何故藤崎さんはこんなに協力してくれるのかとか、アゲハとフィクサーGは何があったのか、そこに支配人はどう絡んでいたのか?等などもう少し掘り下げられそうなネタはあったんですけど、そのあたりはさらっと終わりました。
まあわたしがそういう裏側の設定とか色々設定は回収してほしくなってしまうので、気にしすぎなのかもしれませんが(笑)
お話的にはあらすじの通りで、分かりやすく最後は努力と絆が勝つんですけど。
街を牛耳っていたフィクサーGにも厳しい締め付けには理由があったということで、完全な悪者はいなくて、後味が悪くないのが良いなと思いました。
ミュージカル程歌を重視しているわけではなく、ただ、音楽を愛している人たちが歌って踊って和解する、というまあわかりやすく楽しい舞台ではありました。
ただ、正直に言えば途中の鬼の部分のアドリブと、メンバー加入のテストシーンのアドリブはちょっとだるかった……。
アンケートにも記載させてもらいましたが、作中に「役者自身」があまり透けて見えるアドリブを入れてくるのは好きじゃないので、佐野(兄)さんの寸劇シーンとか、フィクサーGとの対決シーンもちょっと嫌でした。
そんなのいらないからもっとフィクサーGとアゲハのバチバチ感とか欲しかったな―――。
わたしはアドリブって「その役としておかしくなければ」やっても良いと思うんですけど、本人が透けて見えるのは本当苦手で……。
その世界に入り込ませてくれよ!と思ってしまう。
なので、そこだけはちょっと苦手でした。
 
今回初めて舞台で主役を張った古謝くんですが、最後に泣きながら挨拶してて真っ直ぐだなあと思いました。
演技としてはまだ硬かったり、滑舌が苦手そうだったり、歌はもう少しなのかなという部分はあったのですが、声は割とよく通る大きな声なんだなあと思いました。
本当本人の性格としても真っ直ぐなんだろうなーという部分も出ていて、アンドリュー可愛かったです。
 
佐野(兄)さんの飄々とした藤崎さんは、そのまんま佐野さんって感じだったけど(笑)何かわかんないけどすげーなこの人感あった。
佐野(弟)さんは一体何者なんだと思わなくはなかったんですけど、前作の「トラベルモード」とのギャップが凄かった(笑)
アゲハさんは可愛かったしお歌が素敵だったのと、あと衣装がめっちゃお似合いで素敵だった!
あとグレッグとモーリスも良かったな―。
グレッグは歩き方というか、階段の登り方もぴょんぴょんしてて、キャラクターとして歩いて居たり呼吸したりしているなあと思いました。
カナブンのMr.ブーンと部下二人も良かったな。
特にブーンは流石ダンスがお上手で!間の取り方とかも含めてうまかったな。
全体的にキャラクターは立っているなという印象でした。
 
で、フィクサーGについて。大河くんが最後に演じたキャラクター。
悪役なんだけどどこか憎めなくてとても好きなキャラクターでした。
大河くんが演じた役の中でもかなり好きかもしれない。
(一番彼の表に見えていたキャラ的にあっていたのは、SBの主演ダンサーだった。と、いろいろ思うところあれど、思っています……)
アンドリューやその仲間たちを下に見ながらも、少し羨ましくも思っているような、そんな感じの人。
孤独だけれど部下に見棄てられているわけでもなく、尊敬もされているような人。
本当なんだか悪役なんだけど、憎めなくて好きだったなあ。
個人的にああ好きだなと思ったのが、フィクサーGが客席に背を向けて、アンドリューと話しているシーン。
後ろで組んだ手にぐっと力が入っていくところとか、「音楽を全面解禁とする」と決断する時。
一瞬瞳を伏せて、それからパッと瞳を開けた時に、何かを決意したかのようにものすごく強い瞳で真っ直ぐ先を見ているのが、とてもとても好きでした。
それはフィクサーGの強さだなあと思って、カッコよさだなあと思っていて。
そこが大河くんの演技プランの中での好きなところでした。
あと、アンドリューのダンスにブーンも部下二人も参加してみんなが楽しそうに踊っているシーンで、部下に肩を手をやってそちらに行くのを止めようとするんだけど、かわされて一人でぽつんとステージに佇む姿がとても切なくて、その背中がとても孤独感があって好きでした。
アドリブ振られてもちょっと笑ってしまったりもあったけれど、そこはフィクサーGとしてのトーンで「やりづれえな……」ってかわしたり。
自分のことをGだと言われてもわざと振り返って『なんだ?』って顔をしてみたり……
本当そういう色々考えて、フィクサーGのことを考えて、歩き方や指の動かし方や、視線のやり方でそれを表現する、役を生きる姿が好きだったな……
そうやって過去形にしなきゃいけないのがとても辛いんですけど。本当……。
いやでも、最後にそういう姿を見れたのはとても幸せでした。
出来れば正面ドセンターで見たかったな!(笑)
(今回4回見たんですけど、下手上手で2回ずつ同じ席番号だったのでちょっと面白かったですw)
 
そんな感じで、舞台の感想っていうか、フィクサーGのことでしたね(笑)
古謝くんにはまた頑張ってお芝居続けてほしいし、アンドリューとアレックスの共演も出来れば見てみたいなあと思いました。
その時はフィクサーGは遠くの国で頑張っているという設定にでもしておいてもらえたら、わたしが嬉しいです。